【6月9日】備えあれば…
- 公開日
- 2023/06/09
- 更新日
- 2023/06/09
校長のひとりごと
台風2号や梅雨前線の影響による大雨で、愛知県や和歌山県などでは家屋の浸水被害をはじめ、亡くなった方までおられるなど、大きな被害がもたらされました。現在、台風3号も発生し、来週はじめには太平洋側での大雨なども心配されています。「50年に1度の大雨」とか「100年に1度の大雨」とかの言葉をよく聞くようになりました。近年の自然災害は、「100年に1度」と言われるようなめったに起きないことが、頻発しています。ですから、私たちには「起きるかもしれない」「どこで起きてもおかしくない」という考えに立って行動しなければいけません。私たちにとって最も大切なものは「命」です。ですから、日頃より「命」を守る行動をとらなければならないのです。その一つが「備える」ということです。できるかぎりの準備をしておくこと。完璧な「防災」は難しくても、「減災」になるようにするための備えが必要です。
先日、紹介した『木に学ぶ60の知恵 まっすぐだけが生き方じゃない』の中に「備えあれば、憂いなし」というところがあります。
いまこのときを、大切に味わいたい。そう願ってはみても、未来への不安が頭にあると、なかなかうまくいかないものです。精神的な支え、実践的なサポート、経済的な余裕。どんなかたちであっても、つらい状況のときに頼れるものがあるとわかっていれば、こんなに心強いことはありません。オーストラリアの林に生きるジャラは、自分を巻き込む山火事が、幹を軽く焦がす程度で過ぎ去ってくれるよう、日々祈りながら過ごしています。とはいえ、ただ祈っているだけではありません。深刻な事態が起きたときに備えて、ちゃんと保険もかけているのです。ジャラの木は、地面すれすれの根元あたりに、「リグノチューバー」という栄養の貯蔵庫をつくります。幹から上がダメになってしまっても、そこから新たに再生できるのです。あるいは、傷がもう少し浅ければ、幹の部分から新しい芽を出すこともできます。いずれにしても、ジャラの木は、つねに備えができている、というわけです。
欄外にジャラの木の「リグノチューバー」のことが書かれています。
「幹が折れたとき、根の部分が生きていれば幹が再生することがあります。その際には、デンプンが大量に必要とされますが、リグノチューバーはそれに備えてデンプンを貯蔵しておく器官です」
やはり、生き物ってすごいですよね。生き残るための仕組みや知恵がたくさんあります。私たちも、様々なことを学び学習し知識を知恵に変え、日頃からできる「備え」をしなければと思います。
加えて、自然災害等を最小限に抑えるためには、「自助」「共助」「公助」の3つの要素がうまく機能することが重要だと言われています。自分の身は自分で守る「自助」、市や消防・警察などの公的な支援の「公助」はもちろん大切ですが、やはり地域の方同士で繋がり、互いに助け合う「共助」を忘れてはいけません。そのためにも、子どもたちが地域の担い手となれるように、そして、「地域の中の学校、コミュニティ・スクール大野東中」となるような取組をすすめていきたいと思います。