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【6月12日】夢の力

公開日
2023/06/12
更新日
2023/06/12

校長のひとりごと

 6月11日付の読売新聞『編集手帳』というコラムからです。

 シンガー・ソングライターのあいみょんさんは、夢をかなえた人だろう。壁にぶつかって沈みがちな人を見ると、応援したくなるらしい。『プレゼント』という楽曲に思いを込めた。♪その背中にはいつだって/立ち上がれる呪文を一つ…まず立ち続けることが大事であるらしく、そのための呪文を見つけたいものである。
 岐阜市の小学6年高倉優里さんの場合、ある日突然、手紙の形でそれが届いた。差出人は神奈川県小田原市に住む50代の男性で、楽器のドラムスティックが同封されていた。ふしぎな縁は優里さんが「有名なドラマーになれますように」と書いた手紙を風船で飛ばしたことに始まる。男性は石井豊さん。元ドラム奏者で、庭先の落ち葉に風船が埋もれていたのを見つけたという。返信にこう書いた。
「夢は小さな風船と同じだと思います。雨風にさらされ、漂いながらも飛び続けていれば、かならず最後は誰かを幸せにできる。遠い場所より夢を応援しています」
 岐阜市と小田原市は200キロ離れている。風船が南アルプスの空をふわふわ流れ、富士山にも遮(さえぎ)られなかったのは風の力か、夢の力か。

 何だか、不思議な話ですよね。「有名なドラマーになる」という高倉さんの夢の書かれた手紙を乗せた風船が、200キロも離れたところまで飛んでいく、しかも、元ドラム奏者の石井さんの元へと…。様々な条件がうまいぐあいに重なって起きたことなのでしょう。偶然の連続がたまたま起きたおかげなのでしょう。偶然なのか、必然なのか、運命なのか…それがなんであれ、高倉さんの強い思いが、私たち人間には想像もつかない力によって、石井さんの元へと届いたのかもしれません。
 しかし、石井さんのドラムスティックと背中を押してくれる言葉によって、高倉さんは夢の実現へ向けて、練習にさらにひたむきに取り組んでいくのではないかと思います。「縁」とは不思議です。出会いとは不思議です。そんな縁や出会いを大切にすることも、人としてとても大事なことだと、コラムを読みながら思った私です。