【8月7日】誓い
- 公開日
- 2023/08/07
- 更新日
- 2023/08/07
校長のひとりごと
昨日は、広島に原爆が投下されてから78年の「原爆の日」となり、広島市の記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和記念式」が行われました。式の中で、広島市立牛田小6年の勝岡英玲奈さん(12)と、広島市立五日市東小6年の米広朋留さん(11)が、子ども代表として「平和への誓い」の朗読をしていました。その概要が、今朝の西日本新聞に掲載されていました。
二人は、被爆者への思いを胸に「誰もが平和だと思える未来を、広島に生きる私たちがつくっていきます」と力強く宣言した。
勝岡さんの曽祖父は「旧陸軍被服支廠(ししょう)」で被爆後、川から死体を引き揚げて火葬する作業に当たった。遺体は一日で200体ほどの時もあったと知り、衝撃を受けた。曽祖父は「なぜ自分は生き残ったか」と苦悩したという。「ひいおじいちゃんが死んでいたら、お母さんも私も生まれていなかった」。宣言では、曽祖父の体験を一人でも多くの人に知ってもらいたいと語った。そして亡くなった曽祖父には「生き残ってくれてありがとう」と伝えたい。
米広さんは2018年の兄に続き子ども代表に選ばれた。身内に被爆者はいないが、学校の平和学習で被爆者の体験を聞き「僕たちが伝えていかなければいけない」と思った。
ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見て「違う意見を受け入れ、相手の気持ちを考えることが大事」と思う。「戦争の怖さを伝える伝承者になりたい。自分の力を争いではなく、人の笑顔のために使いたい」と話した。
二人の誓いの言葉は
「みなさんにとって『平和』とは何ですか」
から始まりました。皆さんはどう思われますか?
二人は続けて次のように訴えました。
「争いや戦争がないこと。差別をせず、違いを認め合うこと。悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること。身近なところにもたくさんの平和があります」と。
現実は、当たり前に生きられない。最低限の生活が送られない。世界から核はなくならず貧困や飢饉で苦しんでいる人がたくさんいる。ましてや、ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、戦争や紛争が世界中のあちこちで未だに起きている現実があります。
二人の真剣なまなざしでの力強い「平和への誓い」を聞きながら、私たち一人一人が改めて「平和」について考えなければならないと感じました。そして、二人も言っていたように、まずは身近な人、身の回りの人を大切にする。互いに認め合い、尊重し、感謝をすることを決して忘れてはいけません。
以前、広島平和祈念資料館にある「人影の石」の影が薄くなっているとの報道もなされていましたが、私たちは原爆のこと、戦争の悲惨さ、命の尊さ、平和の大切さなどについて薄れさせることなく、深く心に刻みつつ、毎日を精いっぱいに生きていかなければと思います。