【9月1日】「思い」を「形」に
- 公開日
- 2023/09/01
- 更新日
- 2023/09/01
校長のひとりごと
いよいよ、2学期がスタートしました。1学期終業式では、「一生懸命」について、そして、ぜひ夏休みは何かに「一生懸命」打ち込んでほしいという話をしました。子どもたちが、勉強であれ、部活動であれ、習い事であれ、ボランティア活動であれ、何かに一生懸命打ち込み充実した夏休みとなっていればと思っていました。今日、元気そうな子どもたちと会うことができて、それだけで嬉しい気持ちになりました。
今日の始業式では、2011年3月以降に毎日毎日、テレビで流れていたACジャパンのCM映像を子どもたちに見てもらいました。CMの内容は、制服姿の青年が、満席の電車に乗って座っている。その青年の前を、妊娠された女性が通っていく。彼が席を譲ろうかどうか迷っているときの画面には「こころはだれにも見えないけれど」のテロップ。その後、斜め前にいる女性がスッと立ち上がり席を譲ると、テロップで「こころづかいは見える」…。
場面はまた変わり、友達と帰っているその青年。友達に別れを告げ家路に…。歩道橋を上ろうとすると、杖をついたお年寄りの方が、青年の目の前をゆっくりと上っている。知らないふりをしてその横を通り過ぎようとした青年がふと立ち止まる。「思いは見えないけれど」のテロップが流れ、青年はお婆さんのもとへ行き、手を差し伸べる。「思いやりは誰にでも見える」のテロップが流れ、一緒に階段を上っていく。そして青年は、優しい笑顔になる。最後に「その気持ちをカタチに」のテロップ…。
そうです。東日本大震災のあとに何度も流れていたCMです。私は、その当時、東日本大震災の津波やその被害の様子を映像で見るたびに、何とも言えない苦しい気持ちになりました。「自分はここにいていいのだろうか?」「生きるって何だろうか?」「命って何だろう?」…、そんな中で、このCMを見たとき、「私にできることは?」「行動することの大切さ」などを改めて考えさせられ、胸を締め付けられる思いがしました。それと同時に、人間の素晴らしさ、助け合うことの尊さ、つながることの大切さ、ボランティアの方々の凄さなど多くのことを感じました。子どもたちにどうしてもこの映像とこのCMに出てくる言葉のもとになっている宮澤章二さんの「行為の意味」(以下原文)を紹介したいと思ったのです。
あなたの「こころ」はどんな形ですかと 人に聞かれても答えようがない
自分にも他人にも「こころ」は見えない けれど本当に見えないのであろうか
確かに「こころ」は誰にも見えないけれど 「こころづかい」は見えるのだ
それは人に対する積極的な行為だから
同じように
胸の中の「思い」は見えないけれど 「思いやり」は見えるのだ
それは人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
「心」も「思い」も初めて美しく生きる
それは 人が人として生きることだ
自分の行為・行動について振り返ることができる詩だと私は思っています。子どもたちには、たくさんの素敵な「思い」や「気持ち」を、ぜひ「形」にしていこう、「行為・行動」にしていこうと話しました。具体的な「頑張り」、日常的な「思いやり」や「心遣い」…それらが溢れるようなあたたかい素敵な大野東中にしていきましょう、と伝えました。
私たち教職員も子どもたちへの深い「愛情」と「思い」をもっともっと「形」にしていきたいと思います。2学期も教職員一同、精一杯頑張りますので、どうぞ、ご理解とご支援をよろしくお願いします。