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【10月6日】前途に幸多からんことを…

公開日
2023/10/06
更新日
2023/10/06

校長のひとりごと

 知り合いの方の大学4年生のお子様の就職先が決まり、先日内定式が行われたことを聞きました。もうそんな時期なのだと思いました。経団連の指針により「正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降」と規定されているために、例年10月1日(本年度は2日)に多くの企業で内定式が行われています。
(ただし、会社の伝統などに従い独自日程を設定されている場合や、採用スケジュールの関係で11月以降の開催となる場合もあるとのこと)
 10月2日付の日本教育新聞「不易流行」に次のことが載っていました。

 10月2日の今日、全国的に内定式が行われている。通勤電車の中で、リクルートスーツに身を包んだ学生を多く見かけたことだろう。
 1カ月ほど前、都内の大学に通う学生から人生相談を受けた。彼女は公務員志望で、国の行政機関の他、地元の県庁、都内の自治体の採用試験に合格し、その進路先の相談だった。実は彼女の母親からは、県庁を勧めるよう依頼を受けていた。母親としては地元に戻ってきてほしいという思いが強かったのだろう。8年ぶりの再会だった。中学校の制服姿の印象しかなかったため、その変貌ぶりに驚きつつも、依然と変わらぬ真っすぐな目に懐かしさがこみ上げた。母親には申し訳ないが、「選択に正解などなく、どの進路を選んでも素晴らしい出会いと経験が待っている」と伝えた。
 小欄(私)の学生時、やはり複数の選択肢があり、進路に悩んだ。深夜、公園の池の周りを何度も歩き、ギリギリまで考えた。これほどまで時間をかけたことは、かつてなかった。そうして得られた決断については、揺るぎない自信となる。このエピソードは彼女に響いたらしい。
 新卒者の就職3年以内の離職率が約3割という昨今、ファーストキャリアは重要だ。果たして彼女はどんな答えを出したのだろう。電車を降りる初々しいスーツ姿の背中に思う。前途に幸多からんことを、と。

 人生の中での「決断」というのは幾度となく出てきます。その中で、進路を選択するときというのは、多くの人が悩むところだろうと思います。
 これから中学卒業後の進路を決定していく3年生にとっても同じです。たとえば、一般的に「あの学校はいい」と人から言われたとしても、それがその子にとってのいい学校であるかはまったく別問題です。その子にとってのベスト、ベターな選択をしていくしかないと思っています。そのためにも、パンフレットやホームページを見るだけとか、一部の人の意見を聞くだけとかにならないよう、体験入学やオープンスクールなどで実際に行ってみたり、多くの人の助言を聞いたりしながら、最終的に自分自身で「決定」していくことが大切なのだと思います。また、入試がある場合では、誰もが第一志望に行けるわけでもありません。もしかしたら、第二志望、第三志望になることもあるかもしれません。しかし、第一志望でなくとも、そこでどう頑張るか、どのように努力していくかが大切です。道は一つではありません。その中で、人間力を磨き、大いに成長していくことが、将来どんな職業に就こうとも大きな力となるのだと思います。
 新しいところに踏み出すとき、人は不安になることも多いです。しかし、まずは飛び込んでみることです。そして、与えられた仕事に誇りをもって、目標をもって頑張るしかないのだと思います。失敗しながらも、たくさんのチャレンジをして、たくさんの経験をして、人は成長していきます。内定式を終えた若者はきっと希望に満ち溢れているだろうと思います。ぜひ、それぞれの場所で、活躍してほしいと願います。

 3年生の皆さんは、進路選択の時期を迎えています。苦しく悩ましい時期かもしれません。しかし、誰しもが通る道です。しっかりと前を向いて、乗り越えてほしいと思います!最後に、ある方の言葉を…

どのような道を選んだかで一生の価値が決まるわけではない。
たとえそれが、第二、第三希望の道であってもその道をどう歩いたかで人間の価値が決まる。
自分自身の努力のあとが、大きな広い道として続くようなそんな生き方をしたいものである。