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【11月30日】日頃

公開日
2023/11/30
更新日
2023/11/30

校長のひとりごと

 今朝の西日本新聞の『デスク日記』に次のことが載っていました。

 サッカーやラグビーなどの日本代表に試合が終わるとファンや選手が客席や選手ロッカーをきちんと掃除する…。海外メディアが何度も報じ、世界でもおなじみだ。日本人のマナーの良さとして賞賛されるこの行い。サッカーJ1アビスパ福岡の選手も十数年前から続けている。
 発端はベテランのゴールキーパー。クラブ関係者によると、試合後くたくたになっていても選手ロッカールームを率先して掃除。きれいになったのを確認してから帰りのバスに乗り込んでいたとか。
 いつしか背番号10の中心選手がその役割を担う。数年前からは、福岡でプロデビューし他クラブを経て戻ってきた背番号7が引き継いだ。これまで監督も含めてクラブ側は何も要請しておらず、自主的な行動だそうだ。
 アビスパが4日にYBCルヴァン・カップを制し初タイトルを手にした直後に聞いた話。初タイトルと同じくらい印象に残った。

 アビスパ福岡が優勝を決めた瞬間をテレビで観ることができました。試合終了の笛が鳴った瞬間、選手は喜びを爆発させていました。泣いている選手もたくさんいて、その姿に私も感動し、胸が震えました。J1昇格してもまたすぐJ2に降格し、なかなか勝てない苦しい時期も長かったチームが、ついにタイトル初制覇という快挙を成し遂げました。そして、その裏にあったのが、このコラムのように地道な「掃除」。もちろん、単に掃除をすれば強くなるわけではありません。とてつもない練習と努力の先の勝利だと思います。しかし、あらゆるスポーツの世界でもやはり「日頃」と「人間性」が大切であることが言われます。
 Runtrip, Inc. 取締役の冨田憲二さんという方がこんなことを紹介してくれています。

 表にはなかなか出ないチームや組織のカルチャー(文化)が非常に大切である。たとえば、ラグビー世界最強軍団であるニュージーランド代表チーム「オールブラックス」もまた、ロッカールームの掃除という“行い”を通じてチームとしてのよい文化を創り上げている。オールブラックスは基本と基本的価値を重視し、才能よりも品性に基づいて選手の抜擢を行なっている。選手たちは決しておごることなく、小さなことを大事にするよう教えられている。こうしたことは、チームの文化や品性(エトス)を育てるのに役立っている。そして、一人一人が謙虚であることによって、互いに学び合い成長する環境をつくりだすことができる。そして、チームとしての意識がより高まり、誰もが目の前にある問題の解決に貢献するようになっていくのではないか…。

 強さの裏側にある、このような日頃の積み重ねが、人間性を育て、チーム力(組織力)をあげ、チームは強くなる。目先の勝利や小手先だけの技術に頼ることなく、地道な練習、そして練習以外の場面での人としての行いこそが、必ず上達や成長に繋がっているのだと思います。
 大野東中の子どもたちはよく挨拶をしてくれます。「○○が、素晴らしいね!」と声をかけると「ありがとうございます!」と笑顔で返してくれます。掃除の時間には、こんなに寒くなっても、膝をつき黙々とぞうきんがけをしています。人の話を聴くときは、きちんと体を向けて聴いています。困っている友達がいると、進んで声をかけています。目配り・気配り・心配りがよくできます。ですから、様々な面でもっともっと伸びていくと私は信じています。