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【12月19日】きっと…

公開日
2023/12/19
更新日
2023/12/19

校長のひとりごと

 先日一度紹介したディズニーの元人材トレーナーである櫻井恵里子さんの著書『一緒に働きたいと思われる心配りの魔法』からです。

「でも」「だって」「どうせ」は言わない
 ディズニーのキャストの大きな特徴のひとつは、「前向きさ」です。
 パーク内で落とし物をしたゲストがいれば、多くのキャストが一丸となってあきらめずに探し続けます。あいにくの雨でも、喜んでもらうためにはどうすればいいかを考え、ほうきと水たまりの絵を描きます。
 これらの行動の「正解」は、マニュアルにはありません。キャストがその場の判断で独自に動いた結果、自然発生的に出てきたホスピタリティの表れであるといえます。そして、こうした行動の裏にあるのは、実は「落とし物は必ず見つかる」「雨でもきっと楽しくできる」といった、前向きな思考なのです。反対に、もしキャストたちが、「でも広いパークで落とし物など見つかるわけがない」「だって雨の日に来た人がアンラッキーだから」という後ろ向きな感覚を持っていたなら、自らなにか行動を起こそうとはしないでしょう。
 自分が行動を起こす前に、それを「できそう」と思うか、「できないかも」と思うか、というセルフイメージを、心理学では「自己効力感」といいます。カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。自己効力感は、自らの行動に影響を与えます。たとえば「落としたペンを拾う」という行為に対し、もし「ペンはもう取れない場所に入ってしまった」と思ったなら、ペンを拾おうという努力をせずにあきらめるでしょう。とっさに「できそう」と思うと行動を起こしやすいですが、「できなさそう」と思ってしまうとなかなか行動に移れないものである、日常のさまざまな行動の選択が自己効力感に左右されます。…(中略)…
 では、ディズニーのキャストのように自己効力感を高めるためにはどうすればいいのでしょう。もっともいい方法は、成功や達成という体験を繰り返すことです。物ごとを成功させることができれば、自己効力感は以前より高まり、さらにやる気が出てくるという正のスパイラルが発生しやすくなります。初めは低いハードルでかまわないので自分が「できそう」と思える目標を設定し、それを達成することを繰り返しましょう。また、自分を肯定してあげることも大切です。あなたの人生の主役になれるのは、あなたしかいません。他人と比べることなく、いつも自分らしくいることができれば、自己効力感は自然に高まるでしょう。

 でも、だって、どうせ…後ろ向きな言葉ですが、そう思ってしまう私がいます。確かに、このような言葉が出ているときは、前向きな行動にはなりません。必ず、きっと…そう信じてこその前向きな行動です。
 前向きに行動してくれるから、そして何よりゲストに喜んでほしい、ゲストの笑顔が見たい!…そう思って仕事を楽しんで取り組んでいるキャストの方々がいるからディズニーランドは「夢の国」であり、その魅力に何度も訪れる人がたくさんおられるのだろうと思います(私は残念ながら行ったことがありません…)。
 「私の人生の主役は私」「私はかけがえがない私…」。「でも」「だって」「どうせ」という言葉が出てきたときは、「いや、きっと…」「必ず…」と思い直して、何事に対しても前向きに取り組めるようにしたいものですね。