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【1月22日】やり抜く力

公開日
2024/01/22
更新日
2024/01/22

校長のひとりごと

 人間が成功していくときに大切な力の「非認知能力(人間の気質や性格的特徴のようなもの)」、その中の「やり抜く力」が大切であるといわれます。今日はこの「やり抜く力」について、アメリカの心理学者アンジェラ・ダックワースという方が書かれた「GRIT(やり抜く力)」という本に書かれている内容から抜粋しながら述べさせていただきます。

 ダックワース氏が、様々な業種の方に「それぞれの業界で成功している人、挫折した人の特徴を教えてほしい」ということを尋ねると、共通して次のような答えがかえってきたそうです。
「確かに、成功している人は『幸運と才能』にも恵まれていた。しかし、成功の要因はそれだけではない。ずば抜けた才能に恵まれながらも能力を十分に発揮しないうちに、挫折したり興味をなくしたりして辞めてしまい、周囲を驚かせる人たちもいる。そういう人たちを見ていると、成功するにはやはり『失敗してもくじけずに努力を続けること』則ち、『やり抜く力』がきわめて重要である」
 そこで、ダックワース氏は成功のカギとなる「やり抜く力」が強いとはどういうことかを調べていき、以下のやり抜く力の測定テスト「グリット・スケール(10項目)」を作成しました。
1 新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう
2 私は挫折をしてもめげない。簡単には諦めない
3 目標を設定しても、すぐに別の目標に乗り換えることが多い
4 私は努力家だ
5 達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない
6 一度始めたことは、必ずやり遂げる
7 興味の対象が毎年のように変わる
8 私は勤勉だ。絶対にあきらめない
9 アイデアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある
10 重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある
 以上の10項目を5段階で「あてはまる」かどうかで合計点数を出し、平均点を出していくというものです。「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の二つの要素からできていおり、奇数番号の五つは「情熱」、偶数番号の五つは「粘り強さ」を測る質問項目ということです。
「何の世界であっても確かに『成功している人』は、『情熱』と『粘り強さ』を持っているように思う。成功・成長できるよう『やり抜く力』をつけるために、目標達成に向けて改善を繰り返しながら意図的な練習をしたり、最後までやり通す習慣をつけたりすることがとても大切である」
 と、ダックワース氏は述べています。

 本校は教育目標を「自律貢献〜志としなやかな心をもち、地域・社会に貢献できる生徒の育成〜」としています。未来が予測困難な時代だからこそ、志としなやなか心をもつことが大切だと考えます。そしてそのしなやかな心の中に含まれるのが「やり抜く力」です。この力を、様々な面で努力を続けること、やり通す経験を積み重ねることで高めてほしいと思っています。
 さらに、ダックワース氏は、「支えてくれる人との出会いが成功をもたらす」とも述べています。出会いというものはとても大切です。人との出会いによって大きく人生が変わります。「一期一会」という言葉もあります。子どもたちには、かけがえのない出会いを大切にしながら「やり抜く力(GRIT)」を育んでいってほしいと思います。