【2月8日】運
- 公開日
- 2024/02/08
- 更新日
- 2024/02/08
校長のひとりごと
立命館アジア太平洋大学学長であり、ライフネット生命保険株式会社創業者の出口治明さんの著書『人生の教養が身につく名言集』の中に「“偶然”を大切にする人を運がいいと呼ぶ」という興味深い話が載っていましたので、抜粋要約します。
この世界は偶然の産物です。そして、私たち一人一人の人生も、いろいろな偶然の積み重ねによってつくられているといっていいでしょう。歴史を知れば知るほど、偶然こそが「この世のリアルだ」と確信しています。私たち人類・ホモサピエンスがこれまで生き残れたのも、偶然だったという説があります。『そして最後にヒトが残った』という本によると、ネアンデルタール人が滅び、ホモサピエンスが生き残った理由は、「適応力」と「運」の違いにあったようです。筋骨隆々で、森林での大型動物狩猟向きの体型をしていたネアンデルタール人は、当時、地球環境の寒冷乾燥化が進み、森林が縮小し、平原が広がり始める中で徐々に生きる場を失っていきます。一方、しなやかさで持久力に富む体を持つホモサピエンスは、平原での狩りにも対応でき、生き残ることができたのだそうです。つまり、たまたま平原が広がり始める時期に、たまたま平原に適応できる体をホモサピエンスは持っていた。だから生き残れた。まさにホモサピエンスは運がよかったのです。逆に、ネアンデルタール人が絶滅してしまったのは、たまたま運が悪かっただけともいえるのです。「運がいい」というのは、フィンレイソンが指摘しているように、「適切なときに適切な場所にいる」ことなのです。この世は偶然の産物だということに、あらためてきづかされます。…(中略)…
ブーバー(ウィーン生まれの宗教哲学者)が、代表作の中で書いているのが「すべての真の生とは出会いである」という言葉です。つまり、私たちの人生は、つまるところ、すべて出会いである、と。そして、そうした出会いを通して、人生はどんどん変化していく、と。…(後略)…
出口さんは、後半に次のようなことも述べていました。
「風が吹いていないときは、凧が上がらない」というような、どうしようもないこともある。風が吹いていないときは、何をやってもダメだし、逆に、風が吹き始めたら、何をやってもたいていうまくいく。ただ、いつ風が吹くかは誰にもわからないので、風がいつ吹いても全力で走れるよう平素から準備をしておくことが大切です…
ある方も、「運」を味方につけるためには、日頃からの努力や準備が大切であるとおっしゃっていました。
人生において、出会いを大切にすること、日頃からの準備(努力)をしておくこと、そのことが「運」をも引き寄せる…ということを教えていただきました。