【4月24日】心力
- 公開日
- 2024/04/24
- 更新日
- 2024/04/24
校長のひとりごと
大谷翔平選手が、松井秀喜さんがもっていた大リーグ日本人最多ホームラン記録175号を抜き176号打ったニュースが2日前に流れていました。大谷選手は喜びのコメントをされていましたが、松井秀喜さんも言われていたように、きっと通過点でしかないでしょうし、ますますこれから様々な記録をつくり続けられるのではと思います。そんな大谷選手が心酔していたことでまた脚光を浴びた中村天風さん。天風さんの言葉を解説した本が、経営コンサルタントの池田光の著書『中村天風 折れないこころをつくる言葉』です。その中の「運命」について書かれた部分を載せます。
『運命よりも心のほうがまさっているときには、運命の力はいつも心の力の配下になってしまう(天風)』
仕事や人生でちょっとつまづいたくらいなのに、
「どうしようもないよ。運命だったんだ」
とあきらめてしまう人がいます。天風に言わせれば、「そんな簡単に運命のせいにするな」「運命だと片づけてはいかんよ」となります。では、天風は運命をどう考えたのでしょうか。
「運命というものは二種類ある。どうにも仕様のない運命を天命といい、人間の力で打ち開くことの出来るものを宿命というのである」(「運命を拓く」)
と分類しました。まず、人間の力で変えることができないのは天命ですが、「天命なんてものは、極めてわずかしかない」(「運命を拓く」)と天命は言い切ります。裏を返せば、人生における大半が宿命だということです。宿命とは、人間の力で打開できるものでした。つまり、人は運命に負けることはなく、運命を乗り越えていけるのです。
では、どうすれば乗り越えられるのでしょうか。…心の力が、運命よりもまさることです。天風が教えている方法は、(1)積極的な人生態度と、(2)感謝と喜びの気持ちをもつことです。この二つによって、運命を心の力の配下にすることができます。逆に、心が消極的になると、運命はどんどんつけ入ってきます。つけ入らせないよう、起こったことすべてを喜び、すべてを感謝すれば、運命はよくならざるを得ません。
少し哲学的な気もしますが、私はこう思います。まずは、他人のせい、周りのせい、世の中のせいにするような短絡的なことはせず、努力を続けること、また、志や利他の心をもって物事に真摯に向き合うことが大事なのだと思います。そして人生いろいろなことが起きますが、それらをまずは、しっかりと受け止めること。日常の当たり前に感謝しつつ、起こったことに冷静に対応していくこと。さらには、それが、その後の未来へと繋がっていることを自覚し、前向きに突き進むことを教えていただいているのかと思います。
私の母がよく言っていました。
「起こることには意味がある。意味のないことは一つもない。いいことも悪いこともすべては自分のため。だからこそしっかりと受け止め、また笑顔で生きていかなきゃね」。
まだまだ人間のできていない私は、心のせまい考えや後ろ向きな考えに陥ることもありますので、「心力」を鍛えていかなければと思います。