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【5月13日】出会いを大切にすること

公開日
2024/05/13
更新日
2024/05/13

校長のひとりごと

 今日は、午前中からグランドに響き渡る子どもたちの元気な声…。学年練習が行われていました。午後はまた全体での練習。入場練習や大縄跳び、ブロック演技などを行いました。子どもたちの弾ける笑顔、やる気に満ちあふれた表情にこちらまで元気をもらうことができます。体育祭まであと6日。“共に”創る最高の体育祭へ…保護者の皆様も最後まで子どもたちへの精一杯の応援と励ましをよろしくお願いします。

 さて、『PHP』という冊子に「運がいい人、縁に恵まれる人」という特集で、プロデュサーで演出家の石井ふく子さん(代表作:渡る世間は鬼ばかり、肝っ玉かあさん 等)が寄稿された『出会えた人を大事にする』というところがあります。

 私は父に「人にしたことはその場で忘れろ。でも人の世話になったことは一生忘れるな」と言われて育ちました。その考えを大事にすることが新たな出会いにつながり、いい運をもたらしてくれたと思います。
 「運がいい」「縁がある」と言いますが、運も縁も人の心によるものだと思います。おたがいに「この人と出会えて、運がよかった。ご縁があったね」と思えること。運や縁は一方通行では成り立ちません。…(中略)…
 九十七歳の今も健康で生きていますが、人生にはいいことばかりではありません。根も葉もないうわさを立てられ、心がざわつくこともありました。そんなときは、何も言わずに黙っておきます。うわさを真に受けて離れていく人もいるかもしれない。でもおつきあいする中でわかってくださる人もいると考えてきました。不運だと嘆いて他人をうらむのではなく、どうすれば自分の思いが相手に伝わるかに注力するのです。
 私は目上の人にも子役にも同じように丁寧な態度で接します。アプローチの仕方は相手の性格によって変えています。ほめて差し上げるのがいい人もいますし、少々厳しい言い方をするほうが受け入れてくれる人もいますから。
 三十代で出会った脚本家の橋田壽賀子さんには「このセリフがピンとこない」などと遠慮なく意見してきました。そんな私を橋田さんは信用してくださり、脚本が書けたと電話をもらうと、仕事中でも何とか抜け出し、橋田さんの住む熱海に駆けつけました。その場で読んで意見し、書き直された脚本にいつも感服したものです。おかげでドラマ「渡る世間は鬼ばかり」は五百回を超えるシリーズとなり、橋田さんとは約六十年も関係が続きました。
 自分が真剣に向き合った先で応えてくれる人がいたらうれしいですし、気持ちが通じ合って何十年とつながったご縁を、これからも大事にしていきたいですね。

 石井さんの「どんな人にも丁寧に接する」という気持ち、心がけが本当に素晴らしいと思います。なかなかそう思っていてもできない自分がいたり、すぐに人のせいにしてしまう心のせまい自分がいたりします。
 石井さんは、出会いに感謝し、出会えた人を大切にして接してこられたからこそ、第一線で活躍されているのだと思います。丁寧に接し、相手のことを大切にされるから、そのことがまた新たな素敵な出会いを生み、素晴らしい縁となっているのだろうと思います。やはり『一期一会』であり、相田みつをさんの言葉『その時の出逢いが人生を根底から変えることがある よき出逢いを』のように、かけがえのない出会い(出逢い)を大切にする自分自身の心の持ちようと姿勢が大切なのだと思います。
 子どもたちには、かけがえのない出会いをした仲間と共に、一生消えることのない素敵な思い出となるような体育祭にしてほしいと願います。