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【11月25日】考動

公開日
2024/11/25
更新日
2024/11/25

校長のひとりごと

 先週金曜日は、北九州市での研修会等があり、5時起きでの一日出張でした。研修会の中の講演では、株式会社スターフライヤーの元社長、松石禎己さんが講師でした。演題は「スターフライヤーと共に歩んだ7年~新天地 北九州での挑戦~」でした。松石さんは、長崎県の生まれ。九州大学工学部を卒業し、ANAに入社。整備や運行管理部門で要職を歴任後、ANAエアロサプライシステム社長に就任。その後、業績不振にあえいでいたスターフライヤーの社長に抜擢され、会社をV字回復させた敏腕社長として数々のメディアにも取り上げられています。講演でのお話を少し紹介します。


◆私は若いとき、先輩(上司)から「皆さん、なぜ飛行機は飛ぶか知っとるか?」と聞かれ、「それは、揚力、推力、重力、抗力です!」と、偉そうに答えました。そうすると「違うったい。お客さまがいらっしゃるけんたい!」と叱られました。そうなんです。お客さまがいなければ、飛行機は飛ばせないのです。その当たり前がわかった上で、どうしていくかが大切なのだと教えられました。

◆私は、会社に朝5時に出社し、当時の初便「北九州空港から羽田空港」便を毎日見送るのが日課でした。そのとき「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます」と、3回言うようにしました。1回目の“ありがとうございます”はお客さまに対して、2回目の“ありがとうございます”は、関わってくれているすべての社員へ向けて、3回目の“ありがとうございます”は、何一つ文句も言わないで安全に飛んでくれる飛行機に対して、感謝をしていました。

◆お客さまに満足していただくために、社員とともに様々なチャレンジをしました。「初日の出フライト」「搭乗前の一服サービス」「お客さまに格納庫を開放したハロウィンパーティ」「苅田町のふるさと納税にしていただいたフライトシュミレーター体験」「靴磨きサービス」などなど。とにかく、社員も楽しく働けるように、そして社員のアイデアはどんどん採用して、お客さまの満足度と社員の満足度も上がっていくようにしました。

◆「おもいやりは心、おもてなしは動作」。おもてなしは業種によって、またレベルによって変わるが、おもいやりは変わらない。「おもいやり」の気持ちがなければ「おもてなし」はできない。

◆「考動(こうどう)」を私は大事にしてきましたし、社員にも常にそれを言ってきました。考えて動くということです。そして、作業ではなく仕事をしなさい!と。「仕事=作業+改善」です。仕事は常によりよくなるよう“改善”がなければならない。ただ何も考えず同じようにやることは、仕事ではなく作業だと私は思う。

◆うまくいかないこともたくさんあるが、決して諦めてはいけない。諦めた時点で終わり。だから粘り強く…。そして、迷ったときは「それはお客さまのためか?」と自分に問い直すことが大事。


 90分間の講演でしたが、あっという間でした。まだまだ話したりないとおっしゃっていました。最後にこんな言葉も…「評論家になるな!実行者になれ!」。

 厳しい状況の中、会社を任された松石さん。しかし、対話を大事にし、社員を大事にし、何よりお客さま第一で、決して諦めることなく、実行し、チャレンジされたからこそのV字回復であったことが改めてわかりました。社長を退任された松石さん。現在は空港への恩返しとして、無料での「靴の汚れ落とし」をされています。今度またその様子がテレビでも放映されるそうです。どこまでもエネルギッシュでバイタリティがあり、何より「実行者」の松石さん。心から尊敬します。素晴らしい講演、本当にありがとうございました!