【11月27日】日に新た…
- 公開日
- 2024/11/27
- 更新日
- 2024/11/27
校長のひとりごと
小宮一慶さん著『松下幸之助 パワーワード』からです。
『どんな小さなことでもいい。きのうと同じことをきょうは繰り返すまい。多くの人々の、このわずかなくふうの累積が、大きな繁栄を生み出すのである』
ビジネスマンは、努力とともに、進歩することが大事です。多くの人は、努力をしていても、進歩しているかをチェックしていません。私も長い間、努力さえしていればうまくいくんだと勘違いしていました。一生懸命頑張ることは、必須条件です。しかし、現状のままで進歩しないのは、ダメなのです。
わが社の社員には「終業時間である18時になったら、今日一生懸命働いたかどうかを反省してから帰ってくれ」と話しています。最近は加えて「0.01歩でもいいから、やろうとしている目標に向かって進んだかどうかをチェックしてほしい」とも言っています。頑張っても、伸びない人は伸びません。なぜなら昨日と同じ事を、今日も繰り返して頑張っているからです。進歩しようという気持ちがないと、前には進みません。世の中には頑張っている自分が好きというタイプの人がいます。頑張りに陶酔している。それでは不十分です。進歩は、自己満足ではなく人が評価するものでないといけません。「あの人は頑張っている」ではなく、「伸びているな」と言われるように。1年ぶりに会う人には、1年前よりよくなったねと言われるようになりたいものです。
幸之助さんは、「今までと同じことをもっと速い時間でやれないか」「そのために工夫しろ」と言われていました。額に汗するのも尊いけれど、汗しないでそれをできるようになることはさらに尊いことなのです。頑張りだけでも、人を喜ばせることができるかもしれません。しかし、素早さと進歩が組み合わされば、さらに多くの人の役に立つ仕事ができるのです。幸之助さんは、「日に新た」という言葉も、好んでおられました。同じところにとどまらず、常に工夫を重ね、新しいものを生み出していくことが、松下電器のひとつの理念であると。前例にとらわれず、社会のために、いいものをつくり続けたい。そう心から思っておられたから、「日々新たな変化」を生涯、続けられたのです。
現状維持でいい…と思って、それに甘んじていると、下降していきます。現状打破、小さな一歩の前進を目指していくことが大きな一歩に繋がるのだろうと思います。思い出せば、コロナ禍、今までの当たり前はまったく通用しませんでした。当たり前が当たり前でなくなりました。その中でどうするのか?どうすればできるのか?を考えながら、進んでいきました。例年通りでやっていたものを見直し、改善し、よりよいものとしていくことを誰もが考え実行していました。これから先も、どうすれば伸びるか、どうすれば進歩できるのか、「不易(ふえき)」と「流行(りゅうこう)」を考えながら、今日「0.01歩」でも前進できるようにしていきたいものです。“一生懸命は当たり前”、その上で何ができるか?私ももっと考えなければなりません…