【1月31日】本当の優しさ
- 公開日
- 2025/01/31
- 更新日
- 2025/01/31
校長のひとりごと
『月刊朝礼(編集部)が本気で考えた朝礼ネタ』の、「知らないうちにうけた多くの優しさをさりげなく誰かに繋げよう」からです。
漫才師の島田洋七さんは、小学校時代の思い出に次のようなエピソードがあるそうです。
2年生の運動会の日、家が貧しかった島田さんは、仲間と離れて一人で昼食を食べていました。ご飯と梅干し、紅しょうがだけの、質素な弁当だったといいます。そこに担任の先生が来て、こう言います。
「何だかお腹が痛いから、よかったら先生のと交換してくれないか」
先生の弁当はとても豪華で、島田さんは喜んで食べました。次の年も、その次の年の運動会にも先生は同じことを言い、弁当を交換したそうです。子どもだった島田さんが先生の意図に気づくのは、6年生になってからでした。
「人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切」
島田さんの祖母がいつも言っていたという言葉です。その意味がよくわかった出来事だといいます。
つらいときや寂しいとき、温かい心づかいに救われることがあります。ただ、その優しさに気づかないことも多いでしょう。知らないうちに受けた多くの優しさに感謝し、自分の誰かに優しさを返しましょう。
島田洋七さんと言えば、お笑いコンビ「B&B」としても有名ですが、著書「佐賀のがばいばあちゃん」がベストセラーになり、それが映画化、演劇化などされたことでたいへん有名です。「がばい=すごい」ということです。島田さんと、ある意味豪快なおばあちゃんとの関わりの中でのエピソードや言葉から、人として大切なこと、生きる知恵などを学ぶことができました。
「してあげた」「してやった」ではなく、さりげない気配りや優しさの大切さがわかるエピソードだと思います。ついつい心の狭い私は「してあげたのに…」と思ってしまいますが、さりげなく気配りのできる人、自然に優しさの溢れる言動ができる人を尊敬しますし、たいへんありがたいと思います。私たちがもっと、相手を思い、優しさに感謝をし、優しさを広げ繋いでいくようにしていきたいものです。