【6月10日】時の記念日
- 公開日
- 2024/06/10
- 更新日
- 2024/06/10
校長のひとりごと
今日は「時の記念日」です。日本時計協会のHPを見ると、次のように記載されていました。
1920年(大正9年)に当時の「生活改善同盟」による日常生活を合理的にしようとの提唱を受けて、6月10日を「時の記念日」にすることが制定されました。西暦671年に天智天皇が唐から伝えられたという漏刻(ろうこく、水時計)を建造し、その漏刻で「時の奏」(太鼓や鐘を打って時を知らせる)を行った。時の記念日は、この日が現在の太陽暦に直すと6月10日だったという故事に基づいています。
昨日の西日本新聞のコラム『春秋』からです。
0.305秒。ロボットが六面立体パズルのルービックキューブを解き、完成させるまでに要する時間だ。三菱電機の若手技術者が色を瞬時に識別する人工知能(AI)を駆使し、ギネス記録に認定された。そんなわずかな時間で、まばたきの他に人は何ができるだろう。1秒をどう効率よく使うか。そこまで考えて日常を過ごす人はいないと思うが、費やす時間に対するタイムパフォーマンスが重視される時代である。
現代人の時間への意識を探る調査「セイコー時間白書2024」によると、タイパを求める効率主義に違和感があるとの回答は全体の6割。一方、分からないことは考えるよりもすぐに調べないと気が済まない人が75%。スマホ検索に依存する世の中がのぞく。コロナ禍から日常が戻った今、時間に追われている、1日24時間じゃ足りないと感じる人も増加傾向にあるようだ。今の生活を象徴する言葉の1位は「ばたばた」だった。
母親を介護中の村瀬孝生さんは本紙の連載エッセーに、タイパがもたらす欠点をつづっていた。介護の負担を減らそうとみそ汁を作らずにインスタントにしたり、床の拭き掃除をやめたりと効率を追求すると、なぜか負担感は増殖する。そして手間をかけなかった分だけ「満足は逃げていくようだ」とも。
あすは時の記念日。一日は誰にも等しく24時間。ゆっくり流すか、ばたばた走るか。
コラムに出てくるAIを活用したロボットは、モーターや半導体関連の商品開発にあたる若い技術者の方々が、仕事の合間をぬって開発したものだそうです。その映像を見ましたが、本当に一瞬でルービックキューブのすべての面がそろうというものでした。あまりにも一瞬だったので、そのあと20倍スロー映像が流れていましたが、それでも速いスピードでした。それをすぐに何かに生かすというものではないということですが、AIの可能性だけでなく人間の可能性やチャレンジ精神が無限であることがわかります。
一方で、今年2月14日のひとりごとでもふれた“コスパ”(費用対効果)やコラムの中に出てくる“タイパ”(時間対効果)ばかりが重視されていく面もあります。もちろん、そういう部分も大切ですが、等しく与えられた24時間の中で、“手間暇かける”こと、“じっくり”考えたり、“ゆったり”過ごしたりすること、子どもたちはもちろん人との付き合いを大切にすることなどを忘れてはいけないと私は思います。