【6月24日】平和を願い…
- 公開日
- 2024/06/24
- 更新日
- 2024/06/24
校長のひとりごと
先週末も雨のために中止になった競技もありますが、サッカー、男女バスケット、男女卓球、女子バレーなどの大会が行われました。すべてを見に行くことはできませんでしたが、子どもたちはそれぞれ本当によく頑張っています。子どもたちの頑張る姿を見ていると、こちらもワクワクしますし、負けないように頑張らなきゃって思います。まだまだ今週末にも大会が予定されていますので、子どもたちそれぞれがベストパフォーマンスを発揮できるよう願っています。
さて、昨日は、20万人を超える人が亡くなった沖縄戦から79年の「慰霊の日」でした。糸満市摩文仁の平和祈念公園では、沖縄全戦没者追悼式が行われていました。式の中で、宮古高校3年生の仲間友佑さんが、自作の詩「これから」を朗読していました。
短い命を知ってか知らずか 蝉が懸命に鳴いている
冬を知らない叫びの中で 僕はまた天を仰いだ
あの日から七十九年の月日が流れたという
今年十八になった僕の祖父母も戦後生まれだ
それだけの時が流れたというのに あの日 短い命を知るはずもなく 少年少女たちは誰かが始めた争いで 大きな未来とともに散って逝った
大切な人は突然 誰かが始めた争いで 夏の初めにいなくなった
泣く我が子を殺すしかなかった 一家で死ぬしかなかった
誰かが始めた争いで 常緑の島は色を失くした
誰のための誰の戦争なのだろう
会いたい、帰りたい 話したい、笑いたい
そういくら繰り返そうと 誰かが始めた争いがそのすべてを奪い去る
心に落ちた 暗い暗い闇はあの戦争の副作用だ
微かな光さえも届かぬような 絶望すらもないような 怒りも嘆きも 失くしてしまいそうな 深い深い奥底で 懸命に生きてくれた人々が 今日を創った 今日を繋ぎ留めた
両親の命も 僕の命も 友の命も 大切な君の命も すべて
心に落ちた あの戦争の副作用は人々の口を固く閉ざした
まるで 戦争が悪いことだと言ってはいけないのだと口止めするように
思い出したくもないほどのあの惨劇がそうさせた
僕は再び天を仰いだ 抜けるような青空を 飛行機が横切る
僕にとってあれは 恐れおののくものではない 僕らは雨のように打ちつける
爆弾の怖さも 戦争の「せ」の字も知らない
けれど、常緑の平和を知っている
あの日も 海は青く 同じように太陽が照りつけていた
そういう普遍の中にただ 平和が欠けることの怖さを 僕たちは知っている
人は過ちを繰り返すから 時は無情にも流れていくから 今日まで人々は恒久の平和を祈り続けた
小さな島で起きた あまりに大きすぎる悲しみを 手を繋ぐように 受け継いできた
それでも世界はまだ繰り返してる
七十九年の祈りでさえも まだ足りないというのなら それでも変わらないというのなら もっともっとこれからも 僕らが祈りを繋ぎ続けよう
限りない平和のために 僕ら自身のために 紡ぐ平和が いつか世界のためになる そう信じて
今年もこの六月二十三日を 平和のために生きている その素晴らしさを噛みしめながら
「平和の詩」は毎年、県内の小中高生が応募した詩の中から選ばれるそうです。仲間さんは、世界の現状(世界各地で続く戦争の状況)への「怒り」で書き始めた詩でしたが、「平和のために何ができるのか」という自らへの問いかけや、人々の祈りを受け継ぐ誓いなど、未来への決意や希望のようなものをタイトルや本文に込めたそうです。そして、「祈りをつなぐとか、願い続けるという、本当に微力かもしれないことが、世界の平和につながる大きな一歩だと思う」と、話されていたそうです。
原稿は一切見ることなく、一言一言に魂を込めて訴えかけているその姿に、私は胸が熱くなりました。一人一人にできることはたとえ小さくても、平和を祈り続ける、日頃から人を大切にする気持ちが重要なのだと教えてくれています。
今日も学校には子どもたちがいてくれる。朝から元気に挨拶してくれる。「平和」は本当にありがたい…。