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【6月25日】成長の糧

公開日
2024/06/25
更新日
2024/06/25

校長のひとりごと

今朝の西日本新聞『春秋』からです。

 「敗北」「陥落」の見出しが躍った。将棋のタイトル戦で初めて敗退した藤井聡太さんである。叡王を失冠し、全八冠保持は254日で終わった。負けたことがニュースになるのは頂点に立つ者の宿命とはいえ、気分がいいわけがない。史上最年少など、数々の記録を打ち立てた若き王者の心中を代弁するかのような言葉をかつて、元横綱千代の富士さんから聞いた。
「負けると記者が群がってくる。横綱になると勝った相撲は新聞に載らないのに負けた相撲は全部載るのが悔しくて」。
 勝って新聞を飾る横綱の圧倒的な強さを追求し、体現した「ウルフスペシャル」。相手の頭を押さえつけ、上手投げで豪快に転がした。小兵ながら眼光鋭く向かっていく「ウルフ」は難敵の部屋に出稽古を重ねて対策を練り、肩の脱臼とも闘い、26歳で横綱に昇進した。36歳直前で引退するまで31度優勝し、うち30代は19回。自他共に認める「全盛期は30代」の横綱だった。亡くなる1年2ヶ月前の還暦土俵入りで鍛え直した筋骨隆々の体、変わらぬ眼光に驚いていると「俺を誰だと思っているんだ」。負けず嫌いと自負は原動力と教わった。
 「(八冠陥落は)時間の問題だと思っていた。また頑張っていきたい」。視線を前に向けた藤井さんは21歳。頂点へ駆け上がる時と全盛期は必ず一致しない。円熟期もある。どんな地位、年齢であっても敗戦は成長の糧となる。

 敗戦や失敗を乗り越えていくことで人は成長します。indeedのホームページには、失敗から学びを得るための方法が書かれていました。
1 自分の失敗を認める
2 失敗を分析する
3 周囲の人からフィードバックをもらう
4 今後の教訓を探す
5 教訓をいかすためのプランを考える
6 自分が得た教訓を他の人に伝える
7 教訓をどれだけいかせたかを振り返る
8 学び続ける姿勢をもつ
※フィードバックとは、目標達成のために行動した結果やその評価について、具体的に口頭や文章で本人に伝えること

 やはり、失敗や負けを素直に、謙虚に認めることがスタートになります。そして、その原因や要因を分析し、周りからの意見も聞き、今後どのようにしていくかの具体的目標や取組を決める。そしてそれを宣言し、事にあたる。そしてまた、振り返り、繰り返し学び続けていくということです。素直に負けを認めることができないとか、失敗を人のせいにしてしまうこともあるかもしれませんが、それでは前へ進めないし、成長していかないのかもしれません。
 私たちは、大人でも子どもでも失敗します。だけど、できる準備はしっかりとしながら、学び続ける謙虚な姿勢を持ち続けることが何より大事なのだと思います。