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【7月11日】まっすぐに引ける?

公開日
2024/07/11
更新日
2024/07/11

校長のひとりごと

 経営コンサルタントで作家の池田光さん解説、『中村天風 折れないこころをつくる言葉』という本から抜粋です。

「紙に一本の線を引くにも、丸を画(か)くにも、心のあり方いかんですぐ乱れがきてしまう」
 心が穏やかなときは、フリーハンドであっても、まっすぐな線を引くことができます。ところが心が乱れていると、定規を用いても、まっすぐに引けないことがあります。
 今の心の状態を確かめるために、紙と鉛筆をとり出して、まず一本の直線を引き、次に丸を描いてみてください。うまく描けたでしょうか。とらわれがないときは、線に乱れがありません。
 天風は、「非常に心が落ち着いて、何のとらわれもないときには、かなり難しいことでも平気でやっていけますよ。ところが、心に落ち着きがないと、やさしいことでも難しくなっちまうんだ」(『成功の実現』)と言います。ここで天風が教えていることは、何かをやるにあたって必要なのは、能力でも、技術でも、運でもない、それ以上に心のあり方だということです。同じ仕事を、同じ人間がやっても、心が乱れているときと、そうでないときでは、格段の差があります。もてる力をいちばん発揮できるのは、心にとらわれがないときです。そんなときこそ、技術と能力が最大限に生かされます。
 会社が倒産したり、余命六ヶ月と宣告された日に、まっすぐな線が引けるでしょうか。普通の状態のときは、難なく引けた一本の線。しかし、有事の際にも、まっすぐに引ける心のあり方が、何かを平気でやりとげさせるのです。

 私も先ほど、紙とシャープペンシルを取り出し、一本の線を描いてみました。定規で引いたようにとはいきませんでしたが、まずまずまっすぐな線が引けました(^_^)
 大事なことは、多少の能力や技術があったとしても、平常心(まっすぐに線を引けるような心のあり方)で冷静に事に対応することができなければ、それが十分に生かされないということだろうと思います。その人の現在の心の状態や人としての有りようこそが最も大切なことであると、天風は教えてくれているのだと思います。

 仕事をしていれば様々なことがあります。大ピンチもあります。私のような気の小さな人間はすぐに焦ったり、冷静になれなかったりします。それでも、いかに冷静に心を落ち着け、じっくり考えて「事」にあたるかが大切なのだと思います。そのためにも、日頃から学び続けること、様々な情報収集をすること、人間力を磨くことなどを怠らないことが大事なのだと思います。