【7月12日】ともに喜ぶ
- 公開日
- 2024/07/12
- 更新日
- 2024/07/12
校長のひとりごと
今日は、博多の森陸上競技場で筑前地区中体連陸上大会が行われました。午前中私は、応援に行かせていただきました。
最初の競技である男子3000mに本校3年生の西原蒼士さんが出場しました。混戦の中、最後まで素晴らしい粘りを見せ、西原さんは何と筑前地区3位(県大会出場決定)入賞でした。一緒に応援していた顧問の先生や3年生の子どもたちと大興奮してしまいました。また、男子800mでも宮崎龍史さんが、大接戦の中で全国大会出場標準記録に迫るタイムで準優勝するという快挙を成し遂げました。その瞬間私は、鳥肌が立つくらい感動しました。もちろんその他の競技でも本校の子どもたちは、必死で自分の種目に全力を尽くしていました。すべての結果は後日お知らせしますが、やはり子どもたちが頑張っている姿はかっこいいし、感動しました。
競技には直接関係ありませんが、感心したことがあります。競技前、私が子どもたちが集合しているところに行くと、子どもたちが笑顔で「おはようございます!」「ありがとうございます!」と言ってくれました。その笑顔がとっても素敵でした!
3位入賞し、賞状を手にした西原さんは、私が観戦していたスタンドまでわざわざ来てくれて、「応援、ありがとうございました!」とお礼を言ってくれました。何と礼儀正しいことか。素晴らしい!
さらには、私が観戦していた席の近くに座っていた女子陸上部の生徒は、大声で声援を送っていました。仲間を応援するそのひたむきな姿、本当に素晴らしい!
陸上部の子どもたちのこのような姿勢や人柄、そして部活動内のよい雰囲気が、日頃からの練習にも生かされ、これだけの素晴らしい結果を出しているのだろうと思います。県大会に進む皆さん、本当におめでとうございます!県大会でのさらなる活躍を期待しています。
明日からは、他の競技でも筑前地区大会となります。出場する子どもたちの健闘を心から祈ります。
さて、昨日に引き続き、経営コンサルタントで作家の池田光さん解説、『中村天風 折れないこころをつくる言葉』という本から抜粋です。
『人を喜ばせて、自分がまた、その人とともに喜ぶということがいちばん尊いことなんだ』
この天風の言葉を、企業経営に置き換えると、お客の喜んでいる顔を見るのがうれしいということでしょう。しかも、お客の満足した笑顔が、利益以上の価値を生むのです。
日本に資本主義を導入した、明治の偉大な指導者である渋沢栄一は、
「仁義を根本にして商工業を営めば、あえて争うがごとき事をせずとも、利はみずから懐にはいってくるものである」(渋沢栄一『処世の大道』)
と言います。「仁義」は儒教道徳の根本理念です。「仁」とは、他人を思いやり慈しむ心であり、「義」は人として守り、おこなうべき正しい道のことです。渋沢は、お客を思いやり、正しい商道を行うという「仁義」を経営の根幹に据えれば、結果として利益は上がると考えたのです。愛読書の『論語』を経営の指針にした渋沢ならではの考え方でしょう。逆に、経営の目的を利益の追求に置くと、利益至上主義となって、一歩踏み外すと不祥事を起こすことにもなりかねません。
顧客に利益が上がっているときは、仁義の経営をおこなうということは、さほど難しいことではありません。しかし、経営状態が悪化しても、仁義を据えた経営を通せるかが問題です。なりふり構わず金策に走り、仁義を忘れて一時的に状態がよくなっても、あとが続きません。どんな状況でも泰然(たいぜん:落ち着いていて物事に驚かないさま)としていることが、絶対積極(ぜったいせっきょく:自分自身の心の底から湧き上がる積極的態度)でした。経営者の肚(はら)が問われます。
最近、新一万円札で話題の渋沢栄一さん。以前のひとりごとでも載せたことがありますが、渋沢さんをはじめ歴史に名を残すような方々が、大切なのは、「仁義」や「利他の心」、誰かのため人のため社会のために取り組むことが成功への秘訣であると言われます。どうやったら儲かるかとばかり考えて始めた商売がいっこうにうまくいかず、あることがきっかけで、儲けよりもお客さんの笑顔を見たいと気持ちで方向転換をすると途端に繁盛しだしたということもたくさん実例としてあがっていました。
私たち教師の仕事で言えば、やはり一番は「子どもたちの笑顔」「子どもたちの幸せ」をめざし取り組むことです。子どもたちの笑顔や子どもたちからいただく感動は、決してお金では買えない最高の宝物です。そんな宝物を私はたくさんいただいてきました。もちろん、保護者の方や地域の方からもたくさんの励ましや感謝の言葉、ありがたいたくさんのお力添えをいただいてきました。
もっともっと子どもたちの笑顔が見たい!もっともっと子どもたちの一生懸命な姿が見たい!もっともっと子どもたちと一緒に喜びたい!…そのために自分のできることをこれからも精一杯に取り組みたい!…そう思います。