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【2月7日】チーム力

公開日
2025/02/07
更新日
2025/02/07

校長のひとりごと

 本日は、3年生が福岡地区私立高校前期入試(※1・2年生は、学力診断テスト)でした。雪の降り方によっては、入試に影響するかもしれないと心配していましたが、無事に実施されました。前期入試を受けた子のほとんどは、3月5日の公立高校一般入試を受検します。まだまだ気の抜けない日が続きますが、最後の最後まで努力を続けてほしいと思います。もちろん、すでに進路先が確定している子どもたちもいますが、決してゴールではありませんので、入試はなくとも、4月からの準備として学習も継続してほしいです。


 さて、人間学を学ぶ月刊誌『致知』に、2023年のWBCで栗山監督率いる侍ジャパンのヘッドコーチを務め、14年ぶり3度目となる世界一に貢献した白井一幸氏と、2021年に地球帰還を果たし、新たな旅に出た小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーとして、9つの世界初のミッションを達成へと導いた津田雄一氏の対談が載っていました。その中の白井氏の言葉の一部を抜粋要約して載せます。


◆大事なのはゴールを全員が共有できるかどうかなんですね。どんなことがあっても何が何でもゴールに行くんだと、チームの全員が思えるかどうか。ゴールというのは目標だけではないんです。目的も含めてゴール。もっと言えば、本当のゴールは目的のほうです。何のためにこの目標を達成するのか、この目標を達成するとどんなことが起きるのか、どんな価値が生まれるのか。侍ジャパンは「世界一になる」が目標。もっと大事なもの、我々ができることって何かというと、野球を通して多くの皆さんに感動をお届けする。これが侍ジャパンの目的でした。

◆全員が全力でやる。それが感動に繋がるんです。スーパースターの個性的な選手たちが、チームの勝利のためにやるべきことを愚直にやっている。あんな凡ゴロでも全力で走るんだなってなると、そこに感動が生まれて野球界全員のお手本になります…。

◆目標ばかりを追いかけているとホームラン王を取ったら終わり、次の目標がないからエネルギーが湧いてこない。ただ、例えば大谷翔平選手は違います。世界で最も愛され応援される選手になりたい。世界で最も影響力を与える選手になりたい。目的が明確です。だから、彼はホームラン王になって目標を達成しても燃え尽きないんです。目的を追いかけている選手は終わりのないゴールを進んでいくので、伸び続けていくんですよ。

◆試合に出られない選手もいて「なんであいつが…」のようなことを言い出すと、どんなに能力があったとしても、引き算とか割り算のようにチーム力がそがれていく。そこで私が伝えたのは、「実は試合に出られない選手が大事なんだ。全員がチームのゴールに向かってできることを考えてやっていこう」と。試合に出られないという不平不満を言うのではなく、いまの自分の立場でチームが勝つために何ができるかを献身的な行動を取っていく。そうすると、「彼があんなに声を出して応援してくれている。あんなに集中して練習している。俺が逆の立場だったらあそこまでできるかな。もっとやらなきゃ」って相乗効果が生まれて、かけ算型のチームになるんですね…。


 WBCの試合は、オンタイムでその中継を観ました。何度も鳥肌が立つくらい感動しました。それは、一流の選手たちの全力プレーであり、全力の応援、声、表情、そして諦めない気持ちが画面からも伝わってきました。それと同時に、チームワークのよさもとても感じました。白井さんの言葉から、その見方が間違っていなかったことがわかりました。目標であった「世界一」になったことにも感動しますが、「野球を通して多くの皆さんに感動を届ける」という目的を達成したことがわかります。野球って素晴らしい!人間って素晴らしい!一生懸命ってかっこいい!…そう思いました。

 野球などのスポーツに限らず、あらゆる分野においても、地道な努力をすること、諦めないこと、力を合わせることなど…目標や目的を達成するために絶対に必要なことがあります。“教師”という仕事であっても、一人一人が自分の役割を精一杯果たしながら、互いに支え合い、助け合い、高め合うことが大事なのだと思います。何より、人を“リスペクト”する気持ちが欠かせないと私は思います。