【3月18日】ありのままで…
- 公開日
- 2025/03/18
- 更新日
- 2025/03/18
校長のひとりごと
『月刊朝礼が本気で考えた朝礼ネタ』の「自分が自分に生まれた素晴らしさを知ろう」からです。
うさぎにうまれて
うれしいうさぎ
はねても
はねても
はねても
はねても
うさぎで なくなりゃしない
(作:まど・みちお)
童謡「ぞうさん」の作詞者で知られる詩人の「うさぎ」という作品です。「自分が自分に生まれて素晴らしい」ことをテーマに動物などをとおして表現しています。
自分には何の力もない、他の人は何とりっぱなことかと、他者を評価し、自信を失うことが、私たちにはよくあります。自分に生まれたことの評価は、本当は大きいはずです。人との関係づくりのなかで、自分のために、自分らしく生きていく人生を選びたいものです。
童謡「ぞうさん」を知らない方はほとんどいないと思います。
♪ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ
ぞうさん ぞうさん だれが すきなの
あのね かあさんが すきなのよ♪
「BUZZmag」というサイトには、淑徳大学社会学部・金子保教授が発表した論文を引用して、「ぞうさん」について次のようなことが書かれています。
◆まどさんは「ぞうさん」の歌詞に対して、このようにお話しされているそうです。
「この地球上の動物はみんな鼻は長くないのです。そういう状況の中で『おまえは鼻が長いね』と言われたとしたら、それは『お前は不具だね』と言われたように受け取るのが普通だと思います。しかるにこのゾウは、いかにも嬉しそうに『そうよ、母さんも長いのよ』と答えます。長いねと言ってくれたのが嬉しくてたまらないかのように、褒められたかのように、自分も長いだけでなく自分の一番大好きなこの世で一番尊敬しているお母さんも長いのよと、誇らしげに答えます。このゾウがこのように答えることができたのはなぜかといえば、それはこのゾウがかねがねゾウとして生かされていることを素晴らしいことだと思い幸せに思い有難がっているからです。誇りに思っているからです。…(中略)…
ゾウに限りません。けものでも虫でも魚でも鳥でも、いいえ草でも木でも数かぎりない生き物がみんなそれぞれの個性を持たされて生かされていることは、何物にもかえられない素晴らしいことです。もちろんその中の一員として、人間が人間として生かされているのは本当に素晴らしいことです」。
「うさぎ」も「ぞうさん」の詩も、「そのままの姿がいちばん素晴らしいのだから、自信を持って生きなさいよ」という、まどさんのメッセージが込められていたということです。私は「ぞうさん」の詩はもちろん知っていましたが、そんなに深い意味があるとは今の今まで知りませんでした。
私たち人間も、それぞれに個性があり、よさがあり、苦手なこともある。時に落ち込んだり、コンプレックスやストレスを抱え、自己嫌悪に陥ったりする。自分自身が嫌いで「価値のない人間だ」という気持ちになることもある。でも、「ありのままのあなたでいいんだよ」「自分をもっと好きになって!」「自分らしく生きなさい」…
詩の意味を知って読み返すと、心がすっと軽くなる気がします。