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【4月8日】凡事徹底

公開日
2025/04/08
更新日
2025/04/08

校長のひとりごと

 2年生、3年生は学年集会や学級活動などで、学年開き、学級開きが行われていました。まだまだ新しい学級になり少しの緊張感もあるようですが、これからたくさんのコミュニケーションをとりながら、「チーム大東」で共に頑張っていってほしいと思います。

 さて、人間力を学ぶ月刊誌『知致』5月号の特集は「磨(ま)すれども磷(うすろ)がず」でした。不勉強な私は意味がわからなかったのですが、「本当に堅いものはいくら磨いても薄くはならない。言い換えれば、真の志を持っている者はどんな抵抗障害にあっても、その志は薄くはならない」ということだそうです。その言葉のあとにイエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんのことが載っていました。


 鍵山さんが会社を創業したのは昭和36年、28歳の時だった。独立した鍵山さんが徹底して取り組んだのは掃除だった。「人間はいつも見ているものに心が似ていく」と小さい頃から両親にこんこんと言われてきたこともあり、まず自分を取り巻く生活環境、職場環境を徹底的にきれいにしようと心に決めたのだ。鍵山さんは毎朝6時に出社し、会社のトイレを素手で徹底的に掃除し、会社の周辺の道路をきれいにすることを黙々とやり続けた。鍵山さんのすごいところはそれを一切社員に強制しなかったことである。最初の頃はトイレの床を磨いている鍵山さんの手を飛び越えていく社員もいたという。「社長が掃除ばかりしているから会社は一向に伸びない」と不満をいう社員もいた。ある時はコンサルタントが数名の社員を連れてきて、「社長が長靴をはいて掃除をしている。こんな無駄なことをしている会社は発展しない」と批判されたこともあった。

 しかし、鍵山さんは掃除を黙々と続けた。すると、その鍵山さんの姿に感化され、掃除を始める社員が増えてきて、20年たった頃にはほぼ全社員が手伝うようになり、創業30年の頃には理想的な社風の会社になった、と聞いて深い感動を覚えたことを今も忘れない。鍵山さんの言葉がある。

「すさんだ心の集団、会社ほど悲惨なものはありません。いくら経営利益をあげて新聞紙上でもてはやされても、私はそんな会社は決していい会社だとは思いません。それよりも郵便を届けてくださる方、出前を持ってくる人、商品を届けに来る人、運送会社の運転手さんといった人に思いやりが持てるような会社でありたいと思います」。

 人の心をすさませない…は鍵山さんの生涯の信条であった。その信条は鍵山さんの思いを受け止めた人たちによって、一個人の思いを越え、国民運動として広がりを見せている。“磨(ま)すれども磷(うすろ)がず”の実践が生んだ成果である。そのことを喜びたい。


 鍵山さんが大事にされてきた言葉、それが、「凡事徹底」であり「大きな努力で小さな成果を!」なのです。まさに鍵山さんは、掃除をはじめ、日常の当たり前を誰の追従も許さないくらい徹底して取り組まれ、成果をあげてこられました。日常の継続した大きな努力こそが、人間力を高め、成功や成長に繋がることを教えてくれます。さらに、こんな言葉も言われています。

◆やらなければいけないことだけをやっているようではだめです。本来、やる必要がないことをどれだけできるか。それが人間の魅力をつくります。

◆微差の積み重ねが大差となり、絶対差となる。

◆「困難と失敗とは違う。困難と失敗を同一視するくらい危険なことはない」

 普通、みんな困難に出遭うと、ああもう失敗したと思います。けれどもそれは困難なだけで失敗ではないのです。

 

 志高い鍵山さんの言葉は、凄まじいまでの実践に裏付けされて、深く考えさせられるものばかりです。改めて、努力不足の自分に反省です…。


※明日は、第55回入学式です。新入生の皆さんが登校することを楽しみに待っています!