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【5月14日】型

公開日
2025/05/14
更新日
2025/05/14

校長のひとりごと

 松浦弥太郎さんの著書『自分で考えて生きよう』の、「真似からの発見を大切に」からです。


 「創造は模倣から始まる」という至言(しげん:事物の本質を適切に言い当てている言葉)と出会ったとき、すっと身体の力が抜けたように思えた。小さな頃から、人の真似ばかりしてはいけないと大人に教わってきたからだ。思うこと、考えること、することなど、何もかも、個性や自分らしさが大切だと思っていたからだ。

 何かを始めるとき、まずは自分が信じる型のようなものの真似をしてみるといい。真似から始めてみるというのは、なんて気が楽なのかと思った。しかも、真似をしたい型をあれこれと探すのが楽しいと思った。そこで発見したことがある。優れた人は、きっと自分が真似をしたい型を見つけることが得意であるということだ。実はそこに独自性があらわれる。もっと言うと、型を見つけることができたら、目的のほとんどは済んでしまっているようなものである。あとはひたすら真似をしてみて、発見できたことを、そっくりのみ込んでしまえばいい。

 歌舞伎や落語といった古典芸能を楽しもうと思っているが、芸能の世界は、模倣の芸とも言われている。そこにはもちろん個性が生きているが、伝統の名の下にある型を演じながら、個性を出そうと思ってしまったら、型は台無しになってしまうという。どうするかというと、とにかく型を型のままに演じる努力の積み重ねの先に、はじめて自分らしさという魅力が出るという。とにかくしっかりと真似ることが大切だということだ。

 「学ぶ」の語源は、「真似ぶ」ともいう。真似たいことを、その通りに真似てみればいい。実はそれが一番難しいのであるけれども。


 「学ぶ」がもともとは「真似ぶ」からという話は以前のひとりごとでもお伝えしました。私も自分が基本とする「型」って大事なのだと思っています。それはスポーツの世界であっても同様だと思います。もちろん、一流と呼ばれる人たちの真似は簡単にはいかないかもしれませんが、そういう「型」や「基本」を徹底することで、力もついてくるのではないかとも思います。

 自分事ではありますが…高校時代にバレーボールのセッターをしているとき、強豪チームのセッターに憧れ、その「型」を真似ていました。もちろん、すべて真似ることはできていなかったにせよ、なぜかトスが以前より上がるようになりました。やはり、上手な人というのは基本がしっかりとしていて、素晴らしい「型」をもたれているのではないかと思います。「独学」という言葉もありますが、それもきっと誰かに憧れたり、目標にしたりしながら見て学ぶ、聞いて学ぶ、やりながら学んでいくことで少しずつ向上していくのではないかと思います。そして何より、基本を大事にしたり、たくさんの知識を取り入れたりしながら、学び、探究する姿勢が非常に大切だと思います。


※私は、今日から東京への出張です。体育祭前に県外出張なんて…と思うのですが、仕事ですから仕方がありません。ですが、土曜日の体育祭実施に向けて池田副校長や中牟田教頭とも連絡をとりながら進めていきたいと思います。子どもたちの頑張りに天が味方してくれたら…心から願います!

 では、行ってきます!


[ひとりごと 第1015号]