【6月11日】傘、危なくないですか?
- 公開日
- 2025/06/11
- 更新日
- 2025/06/11
校長のひとりごと
今朝の西日本新聞のコラム『春秋』からです。
九州北部はきのうから梅雨末期を思わせる大雨に見舞われた。入梅したばかりというのに先が思いやられるが、もしもの時の備えを促す雨と受け止めねば。
雨がもたらす危険は街の中にもある。傘の横向き持ちだ。後の人に当たり、背の低い子どもや車いすの人の顔を突く危険がある。東京都の調査では傘の危害やヒヤリ・ハットの経験がある人は半数近く。駅の階段とエスカレーターが最も多かった。横向きの傘の威力を測定すると、腕を振る勢いが傘の先端に収集し、その衝撃はアップライトピアノ1台分、240kgにもなった。見かけたら「危ないですよ」と注意したいが、逆上されて舌打ちされないかと思うとなかなか。イヤホンで耳がふさがっている人も多い。口に出せないなら、わざと体やかばんを傘に軽く当てて、気付いてもらう手もある。たいていの人は「あ、ごめんなさい」と傘を下に向けて持ち直してくれる。
テレビドラマでこんな場面があった。吉田剛太郎さん演じる父親が、娘にプロポーズした彼氏を見かけた際、横向きに持った傘を大きく振って歩いていた。帰宅した父親は娘に、彼を見たことは伝えず「本当にいいのか?傘を前後にぶんぶん振って歩くような男かもしれないぞ」と諭す。結局、人を見下す言動も目立つ彼とは別れることに。
傘を安全に扱うことは、他者への当たり前の気遣いだ。傘の持ち方にも人間性が表れる。
昨日に引き続き、「気遣い」について書かれています。確かに、傘を横向きに持ち前後に振って歩いている人を見たことがあります。また、傘でなくとも、周りの人のことをまったく意識しない迷惑な行動をしている場面を誰しも見たことがあるのではないかと思います。コラムにもあるように、知らない人に対して、注意するということはなかなか難しいことであると思います。私たち自身が考え、人に危害が及ぶようなことはもちろん、迷惑をかける言動や嫌な思いをさせる言動は控えなければと思います。
迷惑をかけるような言動を行うのはある意味、「想像力」が足りないのかもしれません。「こうしたら危ないかもしれない」「こうしたら周りの人に迷惑をかけるかもしれない」「こんなこと言ったら、相手が傷つくかもしれない」…、そんな想像力を働かせ、周りのことを思いやる気持ちがあれば、そのときの言動が気遣いや気配りのあるものに変わっていくのではないかと思います。
昨日のひとりごと、「1杯のお茶」の話にあるような「気配りや心配り」が、日常のいたるところにあれば、もっと人々が気持ちよく、幸せな気持ちで過ごせるのかもしれません…。
(ひとりごと 第1035号)