【6月24日】少しでも伝えたい…
- 公開日
- 2025/06/24
- 更新日
- 2025/06/24
校長のひとりごと
松浦弥太郎さんの著書『自分で考えて生きよう』の「『一人のために書く』文章」からです。
文章の書き方について、よく考える。物書きを仕事にしているせいもあり、要領がよく賢くなるほど、きれいに整えがちになり、心よりも頭を使おうとする自分が否めない。大切なのは見た目ではなく心持ちであるとわかっているのだが。
そんなとき、必ず思い出すのが、『暮らしの手帖』初代編集長、花森安治が遺(のこ)した「実用文十訓」である。私はこれを普段、文章を書くうえでお守りのように大切にしている。ここに書いてみよう。
1 やさしい言葉で書く
2 外来語はさける
3 目に見えるように表現する
4 短く書く
5 余韻を残す
6 大事なことは繰り返す
7 頭ではなく、心に訴える
8 説得しようとしない
9 自己満足をしない
10 一人のために書く
一般的にはへたっぴいと言われそうな文章であったり、多少なり文法が間違っていようと、たどたどしくあったとしても、読んだ人の心にいつまでも残る文章はありうると、この十訓は教えてくれている。
要は上手に書こうと思わないことであろう。親切で、わかりやすく、伝えたい、という情熱を燃やして取り組むことである。これはどんな仕事にも共通するのではないかと思う。個人的には「一人のために書く」という訓が、執筆の意欲を大いに奮い立たせてくれている。何事も「一人のため」なのだ。
わたしのひとりごとは「十訓」すべてに当てはまるような文章ではありません。ただ、できているかはわかりませんが、「目に見えるように表現する(できるだけわかりやすく)」とか「心に訴える」とか、“説得”ではなく少しでも“共感”してくれる人がいればいいなと思いながら書いています。読んでくださる方が一人でも「なるほど…」、「なんだか心が温かくなった」、「私も頑張ろう」とか思ってくれたらとても嬉しいと思っています。ですから、先日のひとりごとにも載せましたが、「いつも読んでますよ」とか「ひとりごとのファンです」などと言われることが、私がひとりごとを続けられる原動力となっています。今日も読んでくださって、ありがとうございます!
(ひとりごと 第1044号)