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【6月26日】積み重ね

公開日
2025/06/26
更新日
2025/06/26

校長のひとりごと

 人間学を学ぶ月刊誌『致知』にリオデジャネイロ五輪女子レスリング48kg級金メダリストの登坂絵莉さんのインタビュー記事が載っていました。

 8歳からレスリングを始め、中学3年生時には全国中学生選手権で優勝、高校では2年・3年時に全国高校選手権で2連覇されました。大学へ進んでからも、全日本選手権で4連覇、世界選手権で2連覇し、リオ五輪で金メダルと、誰にも負けない努力をしながら、素晴らしい成績を残されてきました。途中、挫折しそうになったり、レスリングを辞めようと思われたりしたときも、たくさんの人の支えと目標を持ち続け乗り越えてこられました。そんな登坂さんが、リオ五輪決勝、残り時間13秒でのタックルで逆転し優勝された要因を聞かれ次のように話されています。

「一日一日の積み重ねでしかないですね。追い込まれた時こそ本当の実力が出るし、普段できないことは本番でもできないと思っています。いつだって、出せるのは積み重ねたいつも通りの自分だけ。優勝を決めたタックルも最も時間をかけて練習した技でした。徹底した準備、毎日の積み重ねから生まれた結果だと思います。それから、何事も他責にしないことですね。苦しい時、ともすると道具や指導者といった環境のせいにしてしまいがちです。しかし、何が駄目だったのか、どうやったらできるのか。どんな時も自分に矢印を向けることが大切です」

 また、優勝した瞬間のことに聞かれると、

「もう本当に感謝に尽きます。何と言えばいいのでしょう…。一人では絶対にあそこまでいけなかったですし、毎日喧嘩になるんじゃないかというくらいに激しく競り合って、共に練習を重ねてきた仲間、支えてくれた家族をはじめ、たくさんの人の顔が走馬灯のように頭を駆け巡りました。そういう人たちへの感謝の気持ちで胸がいっぱいになったんです。生きてきた中で一番嬉しい瞬間でしたし、それはいまも変わりません」


 やはり、トップに立つ人、一流の人は皆「積み重ね」「誰にも負けない努力」をされているということです。そして、人のせいにせず「矢印を自分に向けて」考え、改善し、また努力を続けるからこそ、素晴らしい結果を残しているのだと思います。そしてさらに、「感謝の気持ち」を忘れないことだと思っています。家族や指導者や支えてくれたすべての人、共に切磋琢磨してきた仲間などへの感謝の気持ちを持ち続けるからこそ、困難をも乗り越え、前進されていくのだろうと思います。

 そのような大事な心持ちは、レスリングだけに限らず、どんな世界でも大切なのだと改めて思います。


(ひとりごと 第1046号)