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【6月30日】熱い夏の一日…

公開日
2025/06/30
更新日
2025/06/30

校長のひとりごと

 6月28日付、読売新聞のコラム『編集手帳』からです。


 〈三夏〉という言葉がある。さわやかな暑さの初夏、梅雨どきの蒸し暑さの仲夏、炎暑の晩夏の三つをいう。

 西日本の各地が一斉に梅雨明けした。東日本もまもなくだろう。まだ6月である。記録的に早い梅雨明けの報とともに、三つ目の夏を迎えることになる。前の二つが短くなった分、長くなるだろう猛暑のなかで暮らしていかなければならない。エアコンは動いていますか。水分はしっかりとれていますか。肌に心地よい夏掛けなど熱帯夜に十分眠れる準備をしましょう。本格的な熱中症対策へ「用意スタート!」ですね。

 きのうは北海道の天候に驚かされた。十勝地方で1時間に120ミリの雨を記録する地域があった。梅雨の末期にみられる大雨のようだが、気象観測上、北海道に梅雨はないことになっている。雲が集まる場所を間違えるようになったことも温暖化が強まった後の夏の特徴だろう。

 歳時記には〈九夏〉という言葉もある。暑い時期の90日間をいう。昔の人は過ごしにくい季節を10日ずつ9回に分けて耐えたのかもしれない。去年は秋まで暑かった。どうも現代は九の数では足りそうもない。


 6月28日も福岡県ではどこの地域でも33度前後の気温になっており、その中で中体連の大会が行われていました。その中で体調を崩した子どもたち、応援の方々もおられたようです。近年、「暑い夏」があまりにも長く、心地よい季節である「春」や「秋」が短くなりました。コラムにもあるように、昨年は10月も暑かった記憶があります。梅雨明けが観測史上“最速”“最短”で明け、これから“猛暑”“酷暑”がどれだけ続くのかと不安になります。今日で6月も終わりますが、まずは1学期の「終業式」まで三週間、子どもたちが体調崩すことなくいきいきと過ごせるように、私たち大人も含めて気をつけていきたいと思います。


 話は変わりますが、私は28日(土)筑紫区中体連男子バレーボール大会決勝大会の“会長職”として那珂川北中学校の体育館にいました(各競技・各大会において会場の責任者である“会長職”として、校長が割り振りをされています)。大野東中には男子バレーボール部はないので、久しぶりに男子バレーボール会場に行ったのですが、何とも懐かしい気持ちになりました。子どもたちの一生懸命な姿はもちろん素晴らしかったのですが、私としては、当時、共に戦ってきた顧問の先生方や私の教え子で教員になり頑張っている先生たちと話ができたり、その先生方が相変わらず頑張っておられる姿を見たりしながら、嬉しい気持ちにもなりました。

 大会前に、教え子の専門部長から、「表彰式後に、先生から子どもたちに少し話をしてください」と言われ断っていたのですが、「どうしても…」と言うので、少しだけ話をさせてもらいました。私は三つの話をしました。


1 バレーボールは「繋ぐスポーツ」。もちろん、ボールを繋ぐのですが、人のせいにせいず、次のプレーヤーのことを考え「思いを繋ぐ」ことが大切。だから、バレーボールは思いやりを学べる素晴らしいスポーツなんです。


2 先生方から、また保護者の方から「挨拶」「礼儀」「整理整頓」「準備と片付け」「気配り」などを含め、日常生活を大事にするよう言われているはずです。バレーだけを頑張ればいいのではなく、バレーボールを通して“人間性”を磨いていくことで、バレーの技術向上にも必ず繋がるからです。自分勝手な考えや傲慢さがあるとせっかくいいものをもっていても潰していきます。一流の選手、伸びていく選手は皆、人間性が素晴らしいです。これからもぜひ、人間性を磨き、応援されるチーム、応援される人であってください。


3 今、バレーボールができているのは“当たり前”ではありません。たくさんの“おかげ”でできるのです。皆さん知っているように、世界を見渡せば、バレーどころか今日生きることすらままならない子どもたちがいるのです。“当たり前”の反対は何かわかりますか?…そう“有り難い”です。「有ることが難しい」ということです。ですから感謝の気持ちを大切にしてください。一緒にいる仲間、試合をしてくれる相手チームの選手、指導してしてくれている先生方、どんなときも応援してくださっている保護者や家族の皆さん…すべての人に感謝できる人であってほしいと思います。感謝の気持ちはもちろん言葉にして「ありがとう」ということも大事ですが、感謝をしながら精一杯に取り組むことが大事なのです。すぐには伸びなくても、粘り強く諦めずに続けていれば必ず伸びます。そういう人たちをここにおられる先生方はたくさん見てこられています。皆さんの可能性は無限大ですから…。これからもぜひ目標をもって、皆さんが成長し活躍してくれることを願っています…。今日は素晴らしい試合をありがとうございました。


 子どもたちは真剣に聞いてくれました。彼らの瞳の輝きが失われないよう、私たち大人ももっと頑張らなければと思います。子どもたちのキラキラとした姿を間近で見ながら、熱いものがこみ上げてきた私でした…


(ひとりごと 第1048号)