【7月7日】“偶然”か、“必然”か…
- 公開日
- 2025/07/07
- 更新日
- 2025/07/07
校長のひとりごと
永松茂久さん著『縁-en-』の「縁が導く奇跡の出会い」からです。
「どうして今、このタイミングで?」
落ち込んでいたある日、久しぶりの友達から突然電話がかかってきました。
「元気? ちょっと思い出したから電話してみたよ。別に大した用はないんだけどね」
その明るい声に、不思議と心がほぐれていくのがわかりました。気がつけば私は胸の内をぽつりぽつりと話していたのです。本当にたまたまでした。しかし、その日もらった言葉や笑い声は、いまでも忘れられません。あの電話がなければ、あの時、私は自分を立て直せていなかったかもしれません。
「はじめて会ったのに、なんだろう…昔からの友達みたいだ」
そんな感覚を覚えた人がいました。会話を重ねていくうちに、その人が私の大切な知人とつながっていることがわかって…。
「なんで? 僕たち、住んでいた場所もまったく違うのに」
九州育ちの私と、東京出身のその人。千キロ以上離れた場所で育った二人に、共通の縁があったのです。偶然にしてはできすぎています。しかし縁とはそういうものかもしれません。遠くにあると思っていたつながりは、実は思いのほか近くにある…。その出会いが、私にそう気づかせてくれました。
…(後略)…
皆さんにも「これは“縁”だ」と感じる出会いがあるはずです。これは“偶然”ではなく“必然”の出会いなのだとか、出会うべくして出会ったのだと感じること…きっと皆さんにもあるはずです。永松さんは、こう続けられています。
ふとした出会いが人生の方向性を大きく変えることがあります。それは決して特別なことではなく、誰の人生にも静かに起きていることです。
たとえばなにげなく出かけた場所や、たまたま誘われた食事の席、その場での出会い、その場で交わされた一言が、あとに人生の転機につながっていく、そうしたことは珍しいことではありません。しかし残念ながら、ほとんどの場合それを偶然と片付けてしまい、その出会いの不思議について深く考える人は多くありません。
ただ気づくか気づかないかは別にせよ、人はこうした多くの偶然に見える出会いによって、いまという人生をつくっています。
相田みつをさんの言葉に、『その時の出逢いが人生を根底から変えることがある よき出逢いを』というものがあります。結局のところ、日頃から様々な人やもの、こととの出逢いを大切にし、自分自身にとってのかけがえのない“縁”としてとらえることができれば、新たな発見や自分の成長、そして可能性を無限に広げていくことにも繋がるのだと思います。皆さんはどう思われますか?
(ひとりごと 第1053号)