【9月14日】力をたくわえる
- 公開日
- 2020/09/14
- 更新日
- 2020/09/14
Kのつぶやき
昨日、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が、全米女子オープンで優勝しました。1セット目を取られてからの逆転での優勝でした。1セット目をとられた選手が全米オープンで優勝することは26年ぶりの快挙とのことでした。今大会の大坂選手は本当にメンタルもフィジカルも充実していました。
松下幸之助さんの『道をひらく』の中に下のような言葉があります。
「時を待つ心」
何事をなすにも時というものがある。時・・・それは人間の力を超えた目には見えない大自然の力である。いかに望もうと、春が来なければ桜は咲かぬ。いかにあせろうと、時期が来なければ事は成就(物事を成し遂げること)せぬ。冬が来れば春は間近い。桜は静かにその春を待つ。それはまさに、大自然の恵みを心から信じ切った姿といえよう。
わるい時がすぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて(一様に)、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが、何もせずに待つことは僥倖(ぎょうこう:偶然に得る幸運)を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。
時を得ぬ人は静かに待つがよい。大自然の恵みを心から信じ、時の来るのを信じて、着々とわが力をたくわえるのがよい。着々とわが力をたくわえる人には、時は必ず来る。時期は必ず来る。
待てといわれればなおあせるのが人情である。だが、自然の理はわがままな人情には流されない。冷たいのではない。静かに時を待つ人には、あたたかい光を注ぐのである。おたがいに時を待つ心を養いたい。
何かを成功させたい、結果を出したいというときには、ついつい人はあせってしまう。そうではなく、あせらずじっくりと待つようにと松下さんは言っています。しかし、それはただじっと待つということではなく、その間に絶え間ない努力をして、しっかりと力をたくわえておかないと、時が来ても成功しない、結果が出ないと言っています。コロナ禍の中、まだまだ制限や制約が続きます。ただ、何もせずに終息に向かうことだけを願うのではなく、「今できること」「今やらなければいけないこと」に地道に取り組み、継続した努力をしていくことこそ大切なことだと思います。
大坂選手は、6月から専属トレーナーに中村豊さん(元世界ランキング1位のシャラポア選手のトレーナー)という方を招き、自粛期間中から徹底的に体幹やフットワークのトレーニングを行ったそうです。もちろん、フィジカルだけでなく様々な経験やトレーニングを通してメンタルも鍛えてきました。その結果が、今回のグランドスラム3度目の「優勝」に繋がったのだと思います。大坂選手は、“時”が来るのを信じて、着々とわが力をたくわえました。見習いたいものです・・・大坂選手、本当におめでとうございます!