【12月10日】ノーベル賞
- 公開日
- 2020/12/10
- 更新日
- 2020/12/10
Kのつぶやき
今日は、ノーベル賞の授賞式です。毎年この時期になるとニュース等でも取り上げられ皆さんご存じなのではないかと思います。特に、日本人が候補者にあがると、この話題で持ちきりになります。本年度はコロナ禍ということで、残念ながらオンラインでの授賞式とのことです。
ノーベル賞は、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベル氏の遺言に基づき、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各分野で「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞です。後に、経済学分野も追加され、今では6つの賞があります。毎年、各賞最大3名まで受賞でき、受賞者には、賞金・賞状・メダルが授与されます。
ところで、ノーベルがなぜそのような遺言を残したかご存じですか?(ちなみに、私はよく知りませんでした・・・)
ノーベルは、ダイナマイトを発明し巨額の富を得ました。もともとこのダイナマイトは、インフラを整備し人類の生活が豊かになるようにと発明したものでした。ところが、その当時ヨーロッパ各地で戦争が起こり、安全で破壊力のあるダイナマイトが戦争に使われるようになったのです。
そんなとき、ノーベルの兄が亡くなります。当時の記者がノーベル自身が亡くなったと勘違いし、新聞の見出しに「死の商人、死す」と記載したのです。この見出しを見たノーベルは相当なショックを受けます。人々のためにと発明したダイナマイトが戦争に使われたノーベルは、何とかその汚名を晴らしたいと思ったそうです。そこで、1895年に遺言を残します。簡単に言うと、「自分の遺産を人類のために貢献した人に使ってくれ」ということです。そして、その翌年の12月10日に亡くなります。
ノーベルの死後、1900年にノーベル財団が設立され、ノーベルの遺言に基づいて、1901年から各分野の功績を残した人に送られるようになりました。ノーベル賞に関する費用は、すべてノーベルの遺産です。選考の中立性を保つために、寄付金も受け付けていないそうです。 ノーベル賞が始まって120年もの間、遺産だけで運営しているということは、ノーベルの遺産がどれほど巨額であったかがわかります。
また、ノーベル賞の候補者選びは、約1年ほどかかるそうです。過去の受賞者、選ばれた大学教授など限られた人からの推薦を受け、各賞300人くらいが候補にあがります。その後、4月に20人、5月に5人に絞られます。それから、各部門の選考担当が最終的な話し合いを行い、10月上旬に受賞者が決定する流れになっているそうです。受賞される方が、いかに人類に貢献し、偉大なことをされたのかと改めて思います。
人々のためにと発明したダイナマイトが戦争に使われ、「死の商人」とまで言われたノーベルですが、生前から発明家や研究者などに資金援助をしていたそうです。そんなノーベルのその思いや行動は非常に尊いものであると私は思います。
人類にとって偉大な発明をしたノーベルは、思いが通じないもどかしさや悔しさも味わいながら、それでも気高くそしてよりよく生きようとした。そして、自分の死後も人々に貢献したいという強い思いがあったのだと思うと、本当に偉大な方だと思います。
御陵中学校は「自律貢献」を掲げています。これからも、自らを律し、考え、友達のために、地域のために、社会のために、誰かのためにと、よりよい行動をとることができる子どもたちであってほしいと願っています。