【3月8日】「あの日」から10年[その1]
- 公開日
- 2021/03/08
- 更新日
- 2021/03/08
つぶやき
いよいよ、3年生にとっては中学校生活最後の週となりました。10日「公立高校入試」、11日「修了式・同窓会入会式」、12日「第38会卒業証書授与式」で、中学校を巣立っていきます。とても早く感じた三年間ではなかったでしょうか?先日のひとりごとでもの述べましたが、3年生にとって心に残る素敵な卒業式になるよう全職員一丸となって準備をしています。保護者の皆様にも制限やお願い等にご協力をいただきながら、素敵な卒業式を創っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、3年生修了式の3月11日は、東日本大震災からちょうど10年となります。10年前の3月11日、福岡では多くの学校が卒業式の日でした。午後2時46分に東日本で大きな地震があったみたい・・・そのあと、大きな津波が・・・次々に流れてくるテレビの映像に我が目を疑いました。これが現実なのかと・・・。一瞬の間に家や車が流され、町や集落はその姿をなくし、多くの人々の命が奪われました。
2021年2月に警察庁が発表したものによると、死者1万5899人、行方不明者2526人、関連死3772人。住宅被害は全壊が12万1996棟、半壊が28万2941棟。現在も4万2千人以上が全国で避難生活を続けているとのこと。マグニチュード9.0の巨大地震は、10mを超える大津波とともに、人々の幸せと多くのかけがえのない命を奪いました。被害額は16兆9千億円と言われています。また、世界銀行の推測によると、自然災害による経済損失は、人類史上第1位だそうです。
10年経ち、たくさんの人の力で住宅やインフラの再建は進展していることも事実です。しかし、先ほどの避難者等のこともありますし、15mの津波に襲われた福島第1原発の問題も未解決です。福島県の避難指示区域は、徐々に解除されてきましたが、未だに解除されていないところもあります。解除の見通しさえ立たない区域では、大切な家が朽ち果て、田畑は雑木林に変貌しています。住民からは「やがて地図から消え、忘れられてしまうのか」と希望を失う言葉が・・・。この言葉を聞くだけで悲しくつらい気持ちになります。以前の学校便りでも紹介しましたが、福島第1原発の完全な廃炉には30年〜40年、年に2000億円程度の費用がかかることを計算すると8兆円、除染には4兆円(賠償を入れると16兆円)ほどかかると言われています。
昨日、あるテレビ番組で福島第1原発のことが特集されていました。原発事故で発生した放射性セシウム[自然に崩壊して半分に減るまでの期間(半減期)が30年と長く、土に含まれる粘土や有機物と強く結びつきやすい]のうち、福島県内の居住地等に放出された放射性セシウムはわずか2%だと言われています。たった2%が人々の命や生活に多大な影響を及ぼしているのです。そしてもちろん、残りの98%が福島第一原発内に残されています。政府は「廃炉」の目標を2051年としていますが、ある学者の方は、廃炉へのスタートラインにも立っていないと述べていました。まだまだ課題は山積みです。
東日本大震災からちょうど10年という節目を迎えるにあたり、私たちは改めて様々なことを考えるきっかけにしなければと思います。