【3月10日】卒業へ向けて
- 公開日
- 2021/03/10
- 更新日
- 2021/03/10
Kのつぶやき
今日は、公立高校入試です。受検する3年生が、もっているすべての力を出し切ってくれることを心から祈っています。頑張れ!御陵中3年生!
さて、今日は私の前任校での卒業式にまつわるエピソードをお話します。
私が、前任校で3年生の数学を担当させていただいていたときのことです。その学校では、数学の少人数指導を行っていて、数学の苦手な子を集めて私が授業を担当していました。私は、学年の所属などはなく、少人数指導の2クラスのみに関わっていました。数学はとても苦手な子が多かったのですが、それでも意欲的に質問してくれたり、少人数だったせいか発言もよくしてくれたりしました。
あるとき、卒業式練習を見に行くと、3年生の返事の声が小さく、態度もあまりよくない状況でした。そこで、数学の時間、担当していた子ども達に、「卒業式の意義」や「本当のかっこよさ」「素敵な先輩達」などの話をプレゼンを使って行いました。始まって20分ぐらいして、普段は元気で時々反抗的な態度もとるような子が、泣き出したのです。それにつられるかのように、周りの子までポロポロと涙を流すのです。
「卒業式、感謝をいっぱい伝えよう。あなたたちをどこまでも愛し育ててくださった保護者の方に、たくさん叱ってたくさん褒めて大きな愛情をかけてくださった先生方に、共に頑張った友達のために、みんなで最高の卒業式にしよう!今日の話で何か感じることがあったのなら、あなたたちから最高の返事を、歌を、最高の態度をして、クラス全体、学年全体に広げよう!何より、胸を張って卒業してくださいね!」
子ども達は泣きながら教室に戻っていきました。普段は、学年の先生方にも強がった態度を見せる子ども達が号泣しながら戻っていくのです。私は、こんなにも感受性が豊かで、素直な子ども達がとても愛おしく思われて仕方ありませんでした。
次の日の数学の時間には、「俺、卒業式、司会をしている先生(私)の顔見ただけで泣くかもしれん。先生も泣きますか?」「先生・・・先生も私たちのために泣いてくれますか?」などと聞いてくるのです。私は、思わず笑顔になりました。こんなにも心をあたたかく元気にしてくれる子ども達に感謝しました。
そして、中学校最後の数学の授業。私はもう一度プレゼンをつくって、「生きるということ」「身近な人の死から学んだこと」「感謝するということ」「可能性は無限大であること」などについて話しました。卒業前で涙腺が緩んでいたのか、彼らは手で顔を覆うようにして泣いていました。彼らは泣きながら、最後のそして精一杯の「ありがとうございました!」を言って授業は終わりました。
卒業式当日、彼らがいかに素敵な返事、最高の歌、そして凜とした態度をしてくれたかは言うまでもありません。私は進行役をしっかりとつとめないといけないと思いながら、彼らのその素晴らしい返事や態度を見て、嬉しくて泣きそうになっていました。
今年は、昨年同様、制限のある中での卒業式となります。それでも、子ども達の「最高の返事」「堂々とした校歌」そして「凜とした態度」で、最高の卒業式になります。御陵中の3年生ならやってくれます。あの素敵な素敵な子ども達ならやってくれます。きっと・・きっと・・・私は信じています!