【4月27日】僕の宝物
- 公開日
- 2021/04/27
- 更新日
- 2021/04/27
Kのつぶやき
昨年6月から始めた「校長のひとりごと」も、今回でちょうど200回目の投稿となります。平均すると、1回が400字詰め原稿用紙3枚から4枚程度の量ですから、累計だとおそらく原稿用紙700枚ぐらいではないかと思っています。もちろん、一気に700枚なんて、とても書ける量ではありません。昨日のひとりごととも関係ありますが、小さなことの積み重ねであると思っています。
おかげさまで多くの方に閲覧いただき、声をかけていただくこともあります。何かしら感じていただいたり、子ども達の頑張りが伝わったり、生き方や姿勢などについて考えたりする材料になればと思っています。これからも少しずつ少しずつ積み重ねていきたいと思います。
さて、今日は体育祭結団式でした。昨年度中止となった「体育祭」。まだまだ予断を許さない状況ではありますが、無事実施ができるようにすべての人が感染対策を継続しながら進めていきたいと思っています。今日の結団式では、「体育祭は誰のもの?」というお話をさせていただきました。もちろん、「すべての生徒のもの」です。それは、運動が得意とか不得意とか関係なく、すべての生徒にとって「よかった」「楽しかった」となるようにしなければならないのです。だからこそ、わがままを捨て、相手のこと、周りの人のことを考えた行動をとることが大切だということです。きっと、この子達ならわかってくれると、私は思っています。きっと、みんなで力を合わせ、素晴らしい体育祭を創りあげてくれると信じています。
私は、体育祭の時期になると決して忘れられない生徒のエピソードがいくつもあります。その中で、2年前の「学校の詩(学校便り)」にも載せた話を一つだけ・・・
彼は、何より日常生活を頑張っていました。誰よりも挨拶をし、誰よりも授業に集中し、誰よりも掃除を頑張りました。誰にでも優しく他の人の仕事まで手伝うなど、気配りも忘れませんでした。体育祭練習では、誰よりも走り、誰よりも声を出し、的確な指示を出しながら取り組みました。きっと相当疲れているはずなのにいやな顔ひとつせず、弱音を吐かず本番まで全力でリーダーとして活躍しました。そして当日、精一杯頑張った彼のブロックは、総合順位で最下位でした。ブロック解団式のとき、多くの生徒が下を向いて泣いている中、彼は最後にブロックの仲間にこう語りかけました。
「みなさん、顔を上げてください。あの得点ボードを見てください。あの点数には、全員の頑張りが詰まっています。1番だろうが、最下位だろうが、みんなが一生懸命頑張ってくれたから、その結果の点数が入っているのです。最下位でも点数は入っています。確かに優勝はできませんでした。でも、みんながいてくれたおかげであの点数になったのです。だから、みなさんは、ここにいるだけで価値があるのです。みなさんと頑張れたことを僕は誇りに思います。だから、胸を張ってください。顔を上げてください。みなさんと共に過ごした時間は、僕の『宝物』になりました。こんなリーダーについてきてくれて本当にありがとうございました!」
深々と頭を下げる彼に割れんばかりの拍手が送られたのは言うまでもありません。そのあと、「先生からお願いします」と言われましたが、私はもう、言葉が見つかりませんでした。私は彼に、そしてそこにいた子ども達にただ「素敵な思いをさせてくれてありがとう!ここにいられることがこんなにも幸せだと感じさせてくれてありがとう!君たちは本当に素晴らしい!」とだけ伝えました。
今でもそのときのことを思い出すと、胸が熱くなります。きっと、御陵中のリーダーの子ども達も彼のような思いをもって、取り組んでくれると思います。一生懸命取り組めば取り組むほど、問題が起きることもあります。しかし、それを乗り越えた先にこそ、素敵な「宝物」があるのだと思います。御陵中学校第39回体育祭が最高のものとなるように、私たち教職員も子ども達へのサポートを精一杯していきます!
(写真上:体育祭実行委員 中:ブロック長 下:体育祭スローガン)