学校日記

【5月10日】自分を振り返る

公開日
2021/05/10
更新日
2021/05/10

つぶやき

 元CA松澤萬紀さんの『100%好かれる1%の習慣』という本があります。その中に松澤さんと同期のCAの方の「お客様の持つ利他の心(他人の幸福を願う心)」の強さに「深く感銘を受けた話」として以下のような内容が載っています。

 東京から沖縄に向かう機内で、高校生数人が「おりがみの鶴」を折っていました。同級生が手術をすることになり、学校を代表してお見舞いに行くことになったものの、「千羽鶴が間に合わなかった」というのです。到着までに、一羽でも多く鶴を折ろうとする彼らに心を打たれ、彼女(同期のCA)は、「私たちも時間があったら手伝いますね」と声をかけました。
 「機内で得た情報は、クルー全員で対処するため、周知させる」のが機内のルールです。すべての情報を共有して、クルー全員で、ひとつのフライトをつくりあげます。チームワークの善し悪しが、フライトにも大きく影響します。千羽鶴のことを知ったチーフパーサーは、客室にアナウンスをかけて「高校生が、手術に向かうクラスメートのために千羽鶴を折っている」ことを説明し、「どなたか、お手伝いいただける方はいらっしゃいますでしょうか?」とお客様にお呼びかけました。すると、嬉しいことに、ほとんどのお客様が手を挙げてくださったのです。目的地に着くことには、たくさんの人の思いが込められた「千羽鶴」ができ上がったそうです。
 同期のCAは「知らない人同士でも、気持ちが一つになれば、これほど大きなことができるんだ」とこの奇跡的な出来事に「胸がいっぱいになった」と話してくれました。私は、彼女からこのエピソードを聞いたとき、あたたかな気持ちに包まれながら、「『誰かを助けたい』という思いは伝播しやすい」「『一人のためになにかをしてあげたい』という気持ちは、共感を得やすい」ことを学びました。
 共感は「利己的な行動(自分のことだけを考える行動)」からではなく「利他的な行動(相手のことを気づかう行動)」から呼び起こされるのです。乗客のみなさんが鶴を折ってくださったのは、「クラスメイトの快復を祈る高校生の思い」に、心を動かされたからではないでしょうか。そして何より印象的だったのが、「手伝ってくれたみなさま」も、とても幸せそうな笑顔になったそうです。・・・(後略)・・・

 何度か、ひとりごとや学校便り等に「利他の心」についても載せたことがあります。稲盛和夫さん(京セラ創業者)の言葉を借りれば、
「不平不満を言わず、常に謙虚にしておごらず、生きていることに感謝する。誰にも負けない努力を重ね、自分が犠牲を払ってでも世のため人のために尽くそうとする。そうした『人に善(よ)かれかし』という優しい思いやりに満ちた、美しい『利他の心』が、実は自分自身の人生をもよくしていきます」
 自分が忙しかったり、イライラしたりしていると、自分のことばかりになってしまいがちです。そんなとき、ちょっと深呼吸して、気持ちを落ち着かせ、上に載せているような話を思い出すと、また謙虚にそして、前向きになれる気がします。未熟な私は、そのような大切なことを忘れないようにしなければと、自分に言い聞かせ、また明日も頑張らねばと思うのです・・・