【5月13日】非認知能力
- 公開日
- 2021/05/13
- 更新日
- 2021/05/13
つぶやき
時々、私は図書室に行き、きれいに並べられた本を見せていただいたり、司書の杉真由美先生とお話をさせていただいたりすることがあります。その中で、杉先生が御陵中の子ども達のことをよく褒めてくださいます。「図書室では騒いだりすることなく、とてもマナーがいいですよ」とか、「子ども達が見やすいように開いていた本も、終わると自分たちできちんと閉じておいてくれています」とか、「とても礼儀正しくてかわいいです」とか・・・。子ども達を褒めてくださると、私もとても嬉しい気持ちがします。
以前も「ひとりごと」などにも載せましたが、こちらが感心するくらい素敵な「立ち止まり挨拶」をしてくれる子がたくさんいます。校門での挨拶運動が終わると生徒会の子ども達は「ありがとうございました!」と言って教室に戻っていきます。ちょっとしたことにでも「ありがとうございます」とお礼を言ってくれる子がたくさんいます。教室に授業を見に行くと、私を見て、そっと会釈してくれる子がいます。目配り・気配り・心配りがよくできるなぁと思う子がたくさんいます。何事にも粘り強く頑張る子がいます。要するに、「非認知能力」の高い子ども達がとても多いのだと思います。
「非認知能力」は、様々なところで言われている点数化しにくい力のことです。先にあげたようなこともそうだし、「やり抜く力」「コミュニケーション力」「協調・協働する力」「直感力や想像力」「自制心」「自律心」などなど・・・。本校のキーワードで言えば、「自律貢献」であったり、「社会性」であったり。
これからの時代を生き抜く上で、この「非認知能力」の重要性が盛んに叫ばれています。学習指導要領には、育てるべき3つの資質・能力に「学びに向かう力、人間性等」が入りました。単に、知識や技能を高めるだけではダメなのです。その流れで、入学試験にも反映されてきています。知識を問うだけの問題から論述(なぜそうなったのか?なぜそうなるのか?自分だったらどうするか?を説明する等)も増えてきました。
中山芳一さん著『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』の中に次のようなことも書かれています。
リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットによる『LIFE SHIFT-100年時代の人生戦略』で提唱された「人生100年時代」は強烈なインパクトを与えました。この100年時代を生きていくためには、時代の変化に対応できることが必要で、そのためにも学びに対して謙虚であり、学び続ける力の獲得・向上が求められるのです。大人といわれる人たちはもちろんのこと、これからの時代を生きる子どもたちに求められるのは言うまでもありません。・・・(中略)・・・
そして、世界が変化すれば社会も変化して人間の役割も変化していきます。したがって、人間に求められる能力も変化し、そのための教育のあり方も変化しなければなりません。これからは、子どもを有名大学へ行かせるために「認知能力」ばかりを身につけさせる時代でもなければ、大人になって一流企業に入社し定年退職まで勤め上げることが「勝ち組」になる時代でもないのです。まずは、大人がちがこの認識を変えていきたいものです・・・
時代はコロナ禍でさらに難しい時代となっています。これからの時代は、単に知識を身につけるだけでなく、総合的な人間力を高めていくことこそ大切になっているのです。様々な変化、困難に対応し、周りの人と協働し、社会のために世界のために考え行動し貢献できること、そして、粘り強く生き抜いていく力を身につけなければならないということです。そのためにも、学校は更なる授業改善に取り組み、様々な活動や日常生活を通して、子ども達を総合的に育てていかなければなりません。もちろんそこには、保護者の皆様や地域の方々、社会のすべての大人が連携していくことが重要であることは言うまでもありません。
これからも御陵中は、「自律貢献」を合い言葉に、教育活動を推進していきたいと思います。現在、緊急事態宣言中でしばらく自粛が続きますが、前向きに粘り強く取り組んでいきます!