【6月9日】ほめ方
- 公開日
- 2021/06/09
- 更新日
- 2021/06/09
Kのつぶやき
オックスフォード大学で学ばれた児童発達学博士の島村華子さんという方が書かれた『自分でできる子に育つほめ方・叱り方』という本があります。その中の“ほめ方”について、こんなことが書かれています。
“ほめ方”には3種類ある。
【おざなりほめ】
どういうところがどういうふうによかったかの具体性に欠ける表面的なほめ方。たとえば、「すごいね!」「上手!」など・・・
【人中心ほめ】
性格・能力・外見といった表面上の特長を中心にほめる。たとえば「優しいね」「頭がいいね」「かわいいね」など・・・
【プロセスほめ】
努力・過程・試行錯誤した手順を中心にほめる。たとえば「頑張って最後までやりきったね」「失敗してもあきらめなかったね」「いろいろな方法を試したね」など・・・
【おざなりほめ】と【人中心ほめ】については、
○ ほめられないと自信がもてず、外部からの承認でしか自分の価値を見いだせなくなる
○ ほめられるためだけに行動をするようになり、楽しいと思っていたことにも意義を感じなくなってしまう
○ 周囲からの評価が下がることを恐れ、失敗を避けるためにチャレンジすることを躊躇する
○ 努力の有無にかかわらず褒められれば、頑張らなくてもよいと思い、努力をして何かを成し遂げることをしなくてもいいと思うようになる
などの問題点があると著者は言っています。したがって、ほめるときには、3つのポイントに気をつけてほしいとあります。
1 成果よりもプロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
2 具体的にほめる
3 もっと質問する(ほめる言葉だけでなく、具体的な気持ちをしっかりと聞くなどする)
いかがでしょうか?人それぞれ違いがあり、すべてこれにあてはまるというわけではないと思います。結果を求めることも大切ですが、結果が出たときだけほめられるとしたら、子どもにとっては非常に厳しいことではないかと思います(場合によっては大人も・・・)。それに、抽象的に「すごい!」だけでは「何が?」ってこともあるかもしれません。自分自身が頑張ってきたこと、努力してきたこと、工夫したことなどについて、具体的にほめてもらうと、自分事として考えた時に、大変嬉しい気持ちになると思います。もちろん著者も、本当に「すごい!」と感嘆の声をあげてほめることを否定されているわけではありませんが、やはり、具体的にプロセスに注目しながらほめるということは、子ども達のやる気やモチベーションを高め、次のチャレンジへの意欲づけになるのだろうと思います。大人であっても基本的にはほめられることは大変嬉しいことです。一方で、思ってもいないことをほめることは難しいでしょうし、それは相手にも伝わることだと思いますので、自分の考え方がまずは大切なのかもしれません。
私たち大人が、子ども達へのほめ方や言葉かけについて、今一度振り返ってみるのもよいのではないでしょうか。