学校日記

【6月18日】平和を願い

公開日
2021/06/18
更新日
2021/06/18

Kのつぶやき

 明日6月19日は「福岡大空襲の日」です。以下、総務省のホームページからです。

 1945年6月19日夜、10時ごろに警戒警報が発せられ、やがて警報は空襲に変わった。間もなく夜空にB29が2〜3機不気味な爆音を響かせ、探照燈が機影を追うなかで高射砲が散発的に炸裂した。そして、始め市内の東部ならびに西部の両地区に焼夷弾が投下され、発生した火災を目標に、後続機がその中間に投弾した。少数機編成で次々に飛来するB29、夜空にきらめきながら油脂焼夷弾の雨が、市の中心部を始め、市南西部方面にまで降り注ぎ、全市は火の海に包まれ、約2時間にわたる空襲で、伝統ある福岡の街は一望の焦土と化した。
 被災面積は3.78平方キロメートルに及び、被災戸数1万2,693戸、被災人口6万599人を数え、死者902人、負傷者1,078人、行方不明者244人を出した。西部軍関係の施設を始め、官公庁、学校、会社、工場、商店街から一般民家に至るまで、多数の建物が被弾炎上し、交通、通信、電気、ガス、水道などの公共施設も甚大な被害を受け、都市としての機能は壊滅的な状態に陥った。劫火(こうか:世界を焼き尽くすほどの大火)の中に肉親や住まいを失った人々にとって、忘れることのできない悪夢の一夜であった。

 昨日、本校の藤田天平教頭が職員への教頭便り『自律貢献』に、昨年の日本経済新聞の記事「福岡大空襲 家族失った男性“語り継いで”」を載せて、職員への啓発を行いました。その便りをもとに、今朝は図書視聴覚委員長の田尻碧衣さんが全校放送でその記事を読み伝え、最後にこのように呼びかけてくれました。
「第2次世界大戦での軍人、民間人の犠牲者は全世界で5千〜8千5百万人といわれています。これは当時の世界人口の2.5%以上になります。日本人の犠牲者は310万人、その中に福岡大空襲で亡くなった方々も含まれています。途方もない数の命を奪った戦争、その数以上に途方もない悲しみを背負うことになった人々がいることを私たちは忘れてはなりません」

 今朝の新聞にも福岡大空襲のときの写真が載っていました。建物がすべて破壊され廃墟となった天神周辺や中州地区の写真、空から降り注ぐ焼夷弾(米軍が日本の木造家屋を「効率よく焼き払う」ために開発した爆弾)の写真など、いかに被害が大きかったかがわかります。そしてそこに、いかに多くの命と幸せがあったかを忘れてはいけないのだと思います。さらには、その悲しみが続いていることも。
 戦争や紛争のない平和な社会・・・これは世界を見渡せば当たり前ではありません。「アフガニスタン紛争」「シリア内戦」「クルド対トルコ紛争」「リビア内戦」「イエメン内戦」などが、現在も続いています。その中で多くの命が奪われており、多くの子どもたちも犠牲になっています。中には兵士として、戦闘や他者の殺害を強要されることもあり、心身に大きな影響を受けます。また、紛争中も紛争後も満足のいく教育の機会が得られず、自暴自棄になることもあります。負の連鎖が続いていくのです。

 今日もこうして授業が行われ、子ども達の笑顔を見ることができたり元気な声が聞けたりすることは本当にありがたいことです。「平和」というものがいかに大切であるか。そして、この平和は多くの命と人々の努力によって成り立っていることを忘れてはいけません。
 明日は、福岡大空襲で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、今一度「平和」というものについて真剣に考える日でありたいと思います。