学校日記

【7月12日】プロセスとストーリー

公開日
2021/07/12
更新日
2021/07/12

Kのつぶやき

 昨日で、筑紫区中体連の大会がすべて終了しました。引退となった3年生の皆さん、本当にお疲れ様でした。ここまで頑張って続けてきたことを誇りにしてください。そして、次の目標へ向けて、粘り強く、努力を続けてほしいと思います。
 また、これまで支えてくださった保護者の皆様の多大なるご協力とご支援に心から感謝いたします。本当にありがとうございました!
 筑前地区大会に進む生徒の皆さんは、御陵中の代表として、筑紫区の代表として、最高のパフォーマンスを発揮してさらに上を目指してください。

 さて、青木唯有さんの著書、『親が偏差値思考をやめれば不思議なほどわが子は伸びる』からです。
 著者の青木さんによると、「企業の採用形式」も変化しており、今必要な仕事に対して必要な人材を採用していく「ジョブ型雇用」になっていると言われています。すなわち、就活をする学生に「あなたは大学でどんなことを学んできたか?」「あなたには、どんな強みや専門性があるのか?」を問うものです。「私は偏差値75で東大に入学しました」「早稲田大学出身です」など、大学のブランドにおぶさった就活は意味をなさなくなってきた。大学の名前よりも、何を学び、どんな専門性を持っているかが大切であるということです。これに関連して落語家の故・立川談志師匠の言葉が紹介されていました。

「自分には学校歴はないが、学歴はある。落語学だったら早稲田や東大のように学校歴が高いやつを集めてきても負けやしない」
 談志師匠は16歳で高校を中退し、五代目柳家小さん師匠に弟子入りしたそうです。「学校歴」を比べたら早稲田卒や東大卒にはかないません。ですが、16歳から落語の世界に身を置き続けてきたことで、落語が何たるかを身をもって学んできた。これこそが、本当の「学びの歴史=学歴」であって、「学校歴」ばかり立派な人でも、こと落語に関しては自分にはかなわない、そういう意味であろうと思います。

 どんな高校・大学に行こうが行くまいが、これからの時代に誰にとっても必要なことは真の意味での「学歴」、何を学んで、何を身につけ、何ができるかこそが大切だということです。だからこそ、人間の成長の過程で、様々な役割や経験を積むことが必要であり、人として成長していく中での「プロセス(過程)」と「ストーリー(物語)」をしっかりと自分で整理しまとめ、表現できることも重要になってくるいうことです。
 最後にこの本には、大学の「総合型選抜入試」で合格する子の親に共通する習慣について、「兄弟姉妹でランク付けしない」「食卓や四季を大切にする」「子どもの話をさえぎらない、代弁しない」「子どもの表情や仕草に敏感になる」などについて書かれていました。
 子どもたちの声にしっかりと耳を傾けるのはもちろんですが、必要以上に親が代弁したり、子どものチャレンジを制限しすぎたりしないようにすること、そしてたくさんの失敗や経験、頑張り続ける経験をさせておくことが大切なのだと思います。