学校日記

【9月2日】無限の可能性

公開日
2021/09/02
更新日
2021/09/02

つぶやき

 昨日、帰宅後テレビをつけると、パラリンピック競技「ボッチャ」の個人決勝が放映されていました。「ボッチャ」は、重度脳性まひ、もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のためにヨーロッパで考案されたスポーツとのことです。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競うものです。「脳性まひBC2」というクラスで、日本代表の杉村英孝選手が競技している最中でした。
 以下、本日の西日本新聞の記事から抜粋です。

 重度障がい者は生きる上で制限が多いが、健常者でも到達が極めて厳しい領域で競い合うこともある。無限の可能性を伝えたいと願う杉村が、一流選手の自負を胸にスーパーショットを連発し、日本勢初の金メダル。満面の笑みで快挙を誇った後は感涙し「こんなにすごい舞台で優勝。自分でもびっくり」と目を細めた。
 特別支援学校高等部3年の時に試合映像を見てボッチャを知った。脳性まひは障がいの程度に幅があり、杉村は立てず、寝返りも打てないほど重い。それでもスポーツが好きで「激しい動きが必要ないので気軽に取り組める」と始めた。
 狙い通りに球を投げられた時の喜びに魅了され、1ミリもずれない投球を追い求めた。初出場で個人17位に終わった2012年ロンドン・パラリンピック後、手足にまひがある選手としては革新的だった筋トレで強化。難しい寝返り動作や両腕の上下運動を繰り返して体幹を鍛え、投球時にぶれない体をつくった。
 脳性まひは筋肉の緊張で抑制されている能力があり、意識を向けることで動作の幅が広がるとされる。握力が弱く指先で球をつまむような握り方で投げる杉村は、投球練習の反復で体に動きを覚えさせ、繊細な投球術を磨いた。・・・(後略)・・・

 私は、生まれて初めてこの競技を見たように思います。杉村選手の真剣な眼差し、集中力、そして何より正確な投球に目をくぎ付けにされました。途中からではありましたが、解説の方の戦略や駆け引きなどの話を聞きながら、この競技の奥深さも少しだけ知ることができました。優勝を決めたあと、コーチの内藤由美子さんと抱き合い喜ばれる姿にも感動しました。コーチの方と共に、きっとたくさんの苦労、並々ならぬ努力の先の金メダル獲得だったと思います。
 杉村選手は、『勝つことで多くの人に知ってもらうという役割がある』との使命感をもって日々努力されているとのこと。ボッチャは、誰もが楽しめるスポーツです。その普及活動にも力を入れている杉村さんのその姿勢に心から敬意を表します。
 杉村さんの確固たる「志」があるからこそ、あの素晴らしいプレー、凜とした姿勢に繋がっているのだと思います。私は杉村さんから、「ひたむきさ」「努力の大切さ」「一生懸命の素晴らしさ」そして、誰しも「無限の可能性がある」ことを改めて教えてもらい、勇気をもらいました。
 コロナ禍、様々なことで厳しいこともありますが、粘り強く前を向いて頑張りたいものです・・・