学校日記

【9月7日】挨拶とは?

公開日
2021/09/07
更新日
2021/09/07

つぶやき

 本日の西日本新聞「デスク日記」に次のことが載っていました。

 長女の進路指導のため福岡市内にある高校を訪れた。すれ違う生徒たちから次々に「こんにちは」と声を掛けられ、気後れしながらも「こんにちは」と頭を下げた。その後の担任教師による進路指導で、これから始まる受験の厳しさを感じつつも、終始ほっこりした気分だった。
 「挨拶」という漢字には思い出がある。「手へんに『ムヤクタ』」。中学時代の恩師から二つのつくりをそう覚えるように教わった。以来この漢字を間違うことはない。ただ、あいさつそのものについてはやや自信がない。
 周囲を見回してみる。あいさつや会釈をしても、無反応の人が少なくない。何度となく不快な気分にもなる。あいさつは組織を劇的に活性化させる。意識が低い組織はその逆。相手の反応にこだわらず「マナーの問題。自分は続けないと。相手も喜ぶ」などと自省する。前述のさわやかな高校生たちの姿が、何ともまぶしい。

 「挨拶」の語源は、禅宗で問答を交わして、相手の悟りの深浅を試すことである「一挨一拶」に由来するそうです。『挨』には「押し開く」「互いに心を開いて近づく」、『拶』には「迫る」「すり寄る」といった意味があるとのこと。すなわち、「出会った人が互いに心を開いて相手に迫っていく」ということが挨拶とされています。挨拶は、まず「私はあなたに心を開きます」と伝えることなのです。

 ノートルダム清心学園理事長であった渡辺和子さんの本『置かれた場所で咲きなさい』には次のようなことが書かれています。
 挨拶は「あなたは、大切なひとなのですよ」と伝える最良の手段であり、お互いが、お互いのおかげで生きていることを自覚し合う、かけがえのない機会なのです。つまり「わたしはあなたとつながっていて、あなたのおかげで生きていますよ」ということになります。
 大きく解釈すると、「挨拶」は、心を開き、相手を対等で同じ地球に生きる仲間として認め、信頼関係を築いていく大切な一瞬だということだと思います。

 また、僧侶の大愚 元勝(たいぐ げんしょう)さんは次のように言っています。
「人間は、相手から働きかけられたことに対して、必ず反応をしています。たとえば、こちらから“おはよう”と言って、元気よく“おはよう!”と返す人もいれば、“おはよう・・・”とぼそぼそ言う人も、明らかに無視する人もいるでしょう。これらはすべて、こちらの働きかけに対して何かしらの反応をしている、ということになります。『無視をした』というのも反応。挨拶というのは、人と人とが関係をつくっていくときに、相手が今どのような状態であるかということを知るためにとても大切なものなんです。」

 このようにみていくと、「挨拶」とは、「私はあなたに心を開いています。あなたは大切なひとです。せっかくの今日の出会いを大切にして共に頑張りましょうね!」というメッセージなのかもしれません。そして、挨拶は目の前の相手の状態を知り、良い人間関係を築いていくための大切な方法でもあると思います。ですから、「人間関係づくりの基本はまず“挨拶”から」といわれるのだと思います。
 
 御陵中の子どもたちの多くは、本当に気持ちのよい挨拶をしてくれます。マスクで顔の下半分は見えなくても、笑顔で元気に、こちらの心が明るくなるような挨拶をしてくれる子どもたちがたくさんいます。そんな子どもたちをみながら、私ももっと気持ちのいい挨拶ができるようにしなければと自省します。相手が返してくれるとか返してくれないではなく、誰に対しても「目を見て明るく元気に」「自分から進んで」・・・そんな挨拶を心がけたいと思います。