学校日記

【9月9日】キラキラとした眼差し

公開日
2021/09/09
更新日
2021/09/09

つぶやき

 昨日の放課後、子どもたちの下校時に「さようなら」と声をかけていると、一人の生徒が近寄ってきて
「校長先生!“コラッツ予想”って知ってますか?数学の問題で、誰も証明できていない問題なんです。なんか、証明できた人に1億2千万の賞金が出るらしいんです。」
 と、目をキラキラと輝かせて話してきたのです。
「そっか。じゃあ、チャレンジしないとね!先生はそれよく知らないからまた教えて!」
と言うと、
「わかりました!また、調べてきます!」
今朝、校門に立っていると、彼が
「おはようございます!先生、わかりましたよ。偶数は、2で割る。奇数は3倍して1を足す。これを繰り返すと必ず1になるってことです。」
 彼が言っているのは、80年以上も数学者たちを悩ませている未解決問題「コラッツ予想」というものです。このことが、ネットニュースにも載っていました。次のような内容です。

 「コラッツ予想」を証明をした人に、日本のベンチャー企業が1億2千万円の懸賞金をかけた。数学の問題にかけられた懸賞金としては世界最高レベル。問題は小学生でもわかるほど簡単だが、数学者の間では「はまると病む難問」「宇宙人が仕向けた罠(わな)」などと恐れられる。
 コラッツ予想は、1、2、3・・・と無限に続く整数の問題だ。1937年、ドイツの数学者ローター・コラッツ(1910〜90)が予想したのは、次のような内容だった。
『どんな正の整数も、偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足す。この操作を繰り返せば、必ず最後は1になるだろう』
 例えば「3」。3は奇数なので、3倍して1を足すと、3×3+1=10。10は偶数なので2で割ると、10÷2=5。この操作を続けると、3→10→5→16→8→4→2→1となり、7回の操作を経て、予想通り1になる。
 「11」では、11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1(操作は14回)となり、やはり1に行き着く。
 単純な四則計算のため、2桁や3桁程度なら、自力で計算できるほど。実際、2011年度の大学入試センター試験の「数学IIB」で出題されたこともあり、この時は、6と11は、何回の操作で1になるか、などが問われたとのことです・・・(後略)・・・

 興味がある方は、ぜひ調べてみてほしいと思います。
 何が言いたいかというと、彼の様子を見ながら興味を持つことってとても大事だと改めて思ったのです。「知りたい!」「わかりたい!」と思うことが、学ぶことの原点です。そして、そのことを解決していこうとする過程が、その人の「力」となっていくと思うのです。「知りたい」と思ったら、すぐに調べる。この気持ち、姿勢こそが、学びの第一歩です。調べて学んで解決できれば「達成感」もあるし「力」となります。先ほどのような難しい問題であれば、たとえ解決きなかったとしても、解決に向けて努力する過程によって様々な力がつくし、その「学び」が次の「学び」へつながっていくと思うのです。
 子どもたちのキラキラとした眼差しは、私たちの心を躍らせ、幸せな気持ちにさせてくれます。私たち教師は、このような子どもたちに「知りたい!」「わかりたい!」「できるようになりたい!」という気持ちにさせる授業づくりをしていかなければなりません。そして、最終的には「わかった!」「できた!」という授業を目指したいと思っています。
 コロナ禍、そして緊急事態宣言中ということで、交流活動等の制限もありますが、こどもたちそれぞれの「最適な学び」を進め、仲間との「協働的な学び」によって、学びがさらに深まっていくようにしていきたいと思います。
(※写真は上から、3年生国語・3年生美術の授業中の様子です)