【9月21日】“非合理的”な時間
- 公開日
- 2021/09/21
- 更新日
- 2021/09/21
Kのつぶやき
今日は「中秋の名月(十五夜)」です。昨年は10月1日がその日にあたり、ひとりごとには、次のようなことを書かせていただきました。
『中秋(秋の真ん中の9月〜10月頃のこと)の名月とは、もともと旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月を指します。春や秋の満月は、見るには高さもちょうどよく(夏は低く、冬は高いところに見える)、特に秋は天気に恵まれることも多く空気が澄んでいるので、月がたいへん綺麗に見えます。今年は、10月1日が「中秋の名月」、明日朝6時が「満月」となります。調べていくと、このように「中秋の名月」と「満月」がずれることはよくあります。ちなみに来年は、9月21日が中秋の名月でなおかつ満月となります。・・・・』
今年は、8年ぶりに一年の中で最も美しいとされる「中秋の名月」と「満月」が重なっています。昨夜は、「十四夜」の綺麗な月(待宵の月)を見ることができました。地球から見える月って、“満月”に限らず幻想的で綺麗だと私は思います。実は、満月となる福岡県でのピークは、今日午前8時57分でした。しかし、太陽が昇っていますので当然見えませんでした。天気がよければ、満月のピークは過ぎてはいますが今日夕方18時頃から東南東の方角に綺麗な月が見えるはずです。昨夜見逃した方のためにも、見えるといいのですが・・・
さて、東京大学の阿部誠教授監修『行動経済学』という本の中に「人間は必ずしも合理的に行動しない」というタイトルで書かれているところがあります。
伝統的な経済学では「人間は合理的に行動すると定義されている」と述べました。しかし、本当にそうでしょうか。私たちは、常に合理性を追求しているでしょうか。テスト勉強をしなければならないのに、友だちと遊びに行ってしまったり、明日が締め切りの仕事を家に帰って仕上げるつもりが寝てしまったりという経験は、誰にでも思い当たる節があるはずです。
結婚式への参列に向けて準備をしていた女性のケースでも同じことがいえます。1万5000円のドレスを買おうとしていたところ、「2着で1万9800円」という表示が目に入り、思わず2着買ってしまったというのはよくある話。また、「今日はたっぷり運動したから」と、ダイエット中なのに高カロリーの食事をしてしまうこともあるのです。
価格が安くても、結婚式で着ることができるのは1着で、もう1着は不要ですから、この行動は伝統的な行動学が想定していた合理的な行動とはいえません。
さらに、たくさん食べてしまえば、運動の効果が台無しになるのは自明。これも我慢が足りていない、自制できていない行動であり、経済学の想定とはかなりかけ離れています。
このように人間は時と場合によって非合理的な行動を取ることがあるのです。しかも、「わかっているけど、できない」というケースだけでなく、正しい(あるいはお得である)と信じて行った選択が、実は非合理的であったという場合も珍しくありません。
“限定”という言葉にも弱い私は、これを読んだときに似たような経験があって、「あるある!」と納得してしまいました。確かに、合理的な考えや行動は大切なことです。しかし、生活すべてが「合理的」にとはなかなかいかないものです。
満月が綺麗だからと、時間を忘れ、ぼーっと見ることが合理的かといわれれば、そうではないかもしれません。しかし、心穏やかに綺麗な月を眺めるような、そんな非合理的な時間も素敵な時間だと私は思います。そんな“非合理的”なことも大切にしたいと思う私でした・・・