【10月13日】「VUCA」時代
- 公開日
- 2021/10/13
- 更新日
- 2021/10/13
つぶやき
現在、御陵中では様々な教科でICTを活用した授業が行われています。特にタブレットの活用については、コロナ禍になる前はここまで短期間の変化は予想していませんでした。まさに、「新型コロナウイルス」によって、教育だけでなく私たちの生活が大きく変化することとなったのです。
日本教育新聞の「不易流行」にこんなことが載っていました。
東京2020オリンピック競技大会で選手たちを出迎えたアサガオが学校に戻ってきた頃、ある中学校では校長が修学旅行中止を告げた。生徒たちは静かに聞いていたという。1学期の予定を9月に延期したものの、最近の子どもたちへのコロナの感染拡大と残り授業日数や進路選択等を考え、校医やPTA役員とも相談を重ねて中止という結論に。苦渋の決断だったことだろう。いま学校は、生徒の思い出となる飛び切りの活動を模索中だ。コロナ禍が推し進めたものの一つに「考える」「選択する」行為がある。出社かリモート勤務か、学校で授業か自宅でオンライン学習か、ワクチンを接種するか否か、外出するか自粛するか、イベント開催か中止かなど、私たちはさまざまな情報を基に考え、行動を決める日々を過ごしている。
「VUCA」という言葉が注目されるようになった。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の四つの単語の頭文字を並べたものだ。「予測困難」「複雑で曖昧」ということで、新型コロナウイルスのパンデミックはまさしく「VUCA」そのものだ。子どもたちは、これからVUCA時代を生きていく。授業も「教える」から「子どもが問いを立て、自ら学ぶ」に転換しなければ「生きる力」の育成になっていかないだろう。教育界はこれまでの「慣例」や「常識」を見直す機会にあると捉えたい。
「VUCA」のもとになっている英単語は、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)となります。VUCAとは、元々1990年代後半に軍事用語として発生した言葉ですが、2010年代に入ると、昨今の変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、様々なところで使われるようになりました。そして、文中にもあるようにコロナ禍となり、より一層先行き不透明で将来の予測が困難なVUCAの時代となっています。
新型コロナウイルスによって、世の中は今までの「当たり前」を見直す機会となりました。それは、教育界も同様です。当たり前に実施できていたことができなくなり、中止や変更せざるを得なくなりました。そして、それが絶対的な「正解」なのかは誰にもわからない状況です。私たちは、様々な状況を十分に考えながら「最適解」を導き出すことになりました。
以前の教育においては、答えのある問いに対していかに速く正解を導き出すことに終始するドリル型の学習スタイルばかりになっていたこともあるかもしれません。もちろんそれを全部否定するものではありませんが、現在は、自分で課題を見つけ、知識・技能を発揮しながら、他者と協働して解決へ向けて粘り強く取り組む力がより一層重要になってくるのだと思います。
私たち教師には、予測困難な未来ではありますが持続可能な社会を創るために、様々な知識や技能を高め自らの可能性を伸ばしていく子どもたちを育てていく教育が求められています。これからも御陵中では、授業改善に日常的に取り組みながら、子どもたちの「自律貢献」の姿を目指し教育活動を進めていきたいと思います。