【12月6日】小さなことにも…
- 公開日
- 2021/12/06
- 更新日
- 2021/12/06
つぶやき
今朝も校門では、新生徒会の皆さんが挨拶運動をしていました。「おはようございます!」の元気な声と礼、その姿勢がたいへん素晴らしいのです。時間になると、「ありがとうございました!」と私に一礼して教室に戻っていきます。朝から寒いのに気持ちのいい挨拶をしてくれて「こちらが、ありがとうです!」なのですが、いつもきちんと言ってくれます。その言葉が自然と出てくることがまたたいへん素晴らしいと思います。「ありがとう」「ありがとうございます」という言葉は、本当に人を気持ちよくさせる魔法の言葉だと思います。
元CAである松澤萬紀さん著『100%好かれる1%の習慣』にも書かれていますが、様々な調査で「あなたを笑顔にしてくれる言葉」や「好きな言葉」の第1位が「ありがとう」だそうです。そして続けてこう書かれています。
私は、「人間の縁(えん)は、努力によって育まれていく」と信じています。たしかに、出会いは偶然かもしれませんが、その偶然を良縁として育んでいくのか、それとも遠ざけてしまうのかは、その人の「小さな努力」の積み重ねによって決まります。「小さな努力」のひとつが、たくさんの「ありがとう」を言うことです。「してももらって当たり前」と思うと感謝の気持ちをなくしてしまいます。
『もうひとつの幸せ論』の著者、故・小林正観さんは、「ありがとう」の反対語は、「当たり前」だとおっしゃっていました。「これぐらいは、してくれて当たり前」と思い違いをして、「ありがとう」を言わなくなったとたん、人の縁は切れてしまうものです。
「ありがとう」と言われた瞬間こそが、「自分は誰かの役に立てている」と確信できる瞬間です。人は、自分を客観視できません。けれど、「ありがとう」の言葉をいただいたとき、自分の存在価値を見出すことができる。それが嬉しいから、「笑顔になれる」のです。「ありがとう」が人間関係を育んでくれるものですし、「ありがとう」がなければ、人間関係は切れてしまいます。そのことを忘れず、小さなことにも「ありがとう」を言えるようになりたいですね。
自然に「ありがとう」「ありがとうございます」が言えるということは、とても大切で、とても素敵なことです。それはきっと、日頃からどんな小さなことにも感謝をする気持ちや姿勢があるからだと思います。そんな気持ちを持ちながら日常生活を送ることが私たちは大事だと思います。
以前どこかでお伝えしたことがあるとは思いますが、私が中学3年生の担任をしているとき、入試前に突然お父さんを亡くした子がいました。私がお悔やみに行かせていただく連絡をすると、お母様が「いえいえ、こんなお忙しい時期にお気持ちだけで十分です…しかし、先生がそんなにおっしゃっるなら…」と了解してもらいました。そして続けて「家が少しわかりにくいと思いますので、息子を○○のところで待たせておきます。本当にありがとうございます」と言われました。
私が、言われたその場所まで行くと、中学3年生の彼が待っていてくれました。彼は、私を見つけると明るく手を振り、「先生、こんばんは!入試前でとても忙しいときに、そしてこんなに寒い中来てくださってありがとうございます。先生…寒くないですか?」と言うのです。突然父親を亡くし、相当につらいはずなのに、私への感謝や気遣う言葉が自然と出てくるなんて…
話しながら彼の家へ向かう途中、私が「きつかったね…」と言うと、彼は突然肩を震わせ泣き出しました。思い切り気を張って泣かずに頑張っていたのだろうなということがわかりました。そんなときに、私を気遣う優しい言葉、そしてお礼まで…本当に素晴らしい子だと改めて思いました。親の姿を見て、子どもが学び培ってきたのだと、お母様の対応や言葉から感じることができました。
日頃からどんな小さなことにも感謝できる気持ち…そして、どんな小さなことにも「ありがとう」と、言葉にして伝えること…私たちは大切にしなければいけないと改めて思います。