【2月9日】服の日
- 公開日
- 2022/02/09
- 更新日
- 2022/02/09
つぶやき
2月9日は「肉(にく)の日」、そして、「服(ふく)の日」でもあります。2月9日の語呂合わせで「服」。衣類への関心を高め、服を着る楽しみを広げようと、全国服飾学校協会などが1991年(平成3年)に制定されたそうです。
今日のひとりごとは、服にまつわる「古着」のお話です。
みなさんは、着なくなったりいらなくなったりした「古着」を“リサイクル”や“寄付”という名のもとに売ったりあげたりしたことはありますか?私は、あります。
ところが、近年、この「古着」が大きな問題として取り上げられています。先日ある番組を見ていると、埋め立て地に、恐ろしいくらい大量に捨てられた「古着」の映像が出てきました。中には、煙が上がっている映像もありました。調べてみると次のようなことがわかりました。
ファストファッション(最先端の流行を取り入れ大量生産して低価格で販売する業態のこと)の普及もあり先進国で集められた大量の古着は、その多くが途上国、最終的にはアフリカに送られるそうです。2016年の集計では、アメリカから75万トン、ドイツから50万トン、イギリスから35万トン、日本から24万トンの古着が輸出されています。輸出される日本の古着の量を200グラムのTシャツとして換算すると、約12億着以上の古着が送られていることになります。
この古着は、「転売」されたり、「寄付」という形で貧しい家庭などに無料で届けらたりするものもあります。しかし、輸出された古着が必要とされず、結局は廃棄されていくことがとても多いのです。ガーナでは毎週1500万着が輸入されているのですが、その4割は埋め立て地に廃棄されているそうです。「いらなくなった古着を必要な人に善意で送る」はずが、実は結果として、大量のゴミを他国に押しつけることになっているのかもしれません。
過去、アフリカの国々が、先進国からの古着の輸入を止めようと動いたときに、アメリカ古着業界団体が「アメリカ人が捨てた衣服は海外で販売されなければ、アメリカ国内の埋め立て地に行き着き、環境破壊を引き起こす」と発言したこともあったそうです。
大量廃棄された古着は、合成繊維や化学処理されたものも多く、これらを完全に処理するためには、200年以上かかるとも言われています。そして、捨てられた古着はやがて、海へと流れていき、魚や海洋生物に影響を与えます。「善意」であるはずの行為が、場合によっては「環境破壊」へと繋がっていくこともあるのです。
現在、様々なところで、「SDGs」の取組が進み、紹介されています。リサイクルや寄付もその目標を達成するには必要なことです。「捨てるくらいなら、リサイクルして誰かが着てくれたら…」という考えも決して間違いではないのですが、現状を正しく知ることが大切だと思います。まずは、自分の足元をしっかりと見つめ直すことからスタートすべきだと、大量廃棄された古着の映像を見て感じた私でした。