【3月11日】立派な3年生
- 公開日
- 2022/03/11
- 更新日
- 2022/03/11
Kのつぶやき
14時46分、教職員みんなで黙祷を捧げました。東日本大震災で亡くなられた方への追悼の意を表すとともに、改めて、今日生きていること、生かされていること、そして、卒業証書授与式ができたことに感謝をしながらの黙祷です。
本校第39回の卒業証書授与式は、立派な3年生のおかげで、厳粛であたたかい素晴らしい式になったのではないかと思います。私の式辞の一部を載せます。
『…皆さんは、友達や家族の大切さ、学べることの大切さ、命の大切さなど、今まで当たり前と思っていたことがいかにかけがえがなかったかを感じた二年間だったのではないでしょうか。くしくも、今日は東日本大震災からちょうど十一年目の日。さらには、先月末からはロシアによるウクライナへの軍事侵攻を目の当たりにして、「命」や「平和」「幸せ」の大切さを痛感しているのではないかと思います。今日は、皆さんに「幸せ」についてのお話をさせてください。
「日本を美しくする会」の 鍵山秀三郎さんは、「幸せには3つの幸せがある」と言います。
一つ目は「もらう幸せ」です。皆さんは、生まれて間もない頃、ご飯を食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、おむつを替えてもらったりしました。そして、今も誰かに自分のためにしてもらうことがたくさんあります。それが「もらう幸せ」です。
二つ目は、自分で「できる幸せ」です。字が書けるようになった。自転車に乗れるようになった。サッカーができるようになった。他にもたくさんのことに挑戦し、できるようになって嬉しかったり幸せを感じたりしたはずです。
三つ目は人に「あげる幸せ」です。友達のために相談にのったり、寄り添ったりして、友達が喜んでくれたり、頼りにされたりします。困っている人に手を差し伸べる。相手の喜びを自分の喜びとする。自分のしたことによって、誰かが喜んでくれたり笑顔になってくれたりしたことで、嬉しさや幸福感を感じた経験が、これまでもあると思います。それこそが、とても尊い「あげる幸せ」なのです。
未来が予測困難な時代、そして世界中の平和が脅かされいる中、相手の立場に立つこと、相手意識をもつことは本当に大切なことです。本校の教育目標「自律貢献」でも示したように、皆さんには、主体的に学ぶ姿勢をもち、総合的な人間力を高め、人のために、社会のために、そして世界のために活躍できる人間になってほしいと思います。その方法や立場は様々でいいのです。誰かを「幸せにできる」人であってほしいと願います。これからも、いただいた命と多くの人や物への感謝の気持ちを忘れず、それぞれの道を精一杯歩んでいってください。その中でも、皆さんをいつも全力で愛し、支えて下さった保護者の方への感謝は忘れないで下さい。
・・・(後略)・・・』
そんな私の言葉よりもはるかに素晴らしい言葉を述べてくれたのが、生徒会長の肥後琥南さんの「答辞」です。その一部を紹介します。
『…困難がないことは無難と言いますが、無難な人生は人を成長させません。困難があってそれを乗り越えることで、人は成長し、強くなれると思います。そう信じて私たちはこれからも未来に向かって歩き続けていきます。・・・(中略)・・・
私たちの最高の理解者である先生方。どんな苦境にあってもいつも親身に指導してくださったおかげで、私たちは何事にも諦めず前を見て頑張ることができました。本当にありがとうございました。お父さん、お母さん、家族のみんな、私たちをどんなときも見守り支えてくれてありがとう。そして、これからも成長する姿を見ていてください。よろしくお願いします。私たちはこれからそれぞれの道を歩き出します。志を高くもち、強く、優しく、たくましく生きていくことを約束します。自分だけではなく多くの人、地域、社会のために貢献していきたい。困っている人がいれば手を差し伸べることができる人でありたい。そう思っています。他人と違ってもよい、それは私たちの個性だから。これらはすべて御陵中で学んだことです。大好きな先生、友達の笑顔、たくさんの思い出を宝物として、私たちは次のステージへ進んでいきます。最後に、多くの方に祝福され、卒業の日を迎えられたことに感謝するとともに、中学校生活を御陵中学校で過ごせたことを誇りに思います。三年間本当にありがとうございました』
私は、肥後さんの一言一言に感動し、聞きながら目頭が熱くなりました。言い終えると、この言葉をしたためた「答辞」を、壇上にいる私に手渡ししてくれました。そのとき、肥後さんは、私の目を見て「ありがとうございました!」と言ってくれました。私も「ありがとうございました!立派な答辞だったよ」と小さく応えました。野球部だった肥後さんは、朝練習が終わって、昇降口に戻るとき、校門に立っている私が気づいていなくても、立ち止まって大きな声で「おはようございます!」といつも言ってくれました。礼儀正しく、そして優しくて心が広くて、とてもあたたかい人柄です。自分の姿、背中で模範を示してくれる立派な生徒会長でした。その人柄がにじみ出ている素晴らしい答辞でした。感動しました!
肥後さんをはじめ、卒業生の皆さんが、それぞれに「志」をもち、強く、やさしく、たくましく、そして、多くの人、地域や社会に貢献し、自分らしく生きていってくれることを心から望みます。3年生の皆さん、卒業、本当におめでとうございます。いつまでも応援しています!
最後に…3年生の保護者の皆様のこれまでのご協力とご支援に深く感謝いたします。ありがとうございました!