【5月24日】ご縁
- 公開日
- 2022/05/24
- 更新日
- 2022/05/24
Kのつぶやき
洋菓子やパンで有名な「エーデルワイス」の創業者、比屋根 毅(ひやねつよし)さんの「ソニー創業者・盛田昭夫から教わったこと」という文章がありましたので、載せます。
僕が九州のロイヤルの役員をしている時に、ソニーの盛田昭夫さんが役員を前に小講演をされたことがあるんです。盛田さんはロイヤルの創業者・江頭匡一さんと昵懇(じっこん:親しい)で特別顧問か何かをしておられまして、この日は僕も役員を前に営業報告をする機会がありました。夜、役員会を終えてホテルのバーに行ったら、盛田さんが飲んでおられました。結構酔っておられましてね。僕が「お部屋までご案内します」と申し上げたら、「酔っていないから大丈夫だ」と。でもなんとなく千鳥足でしたからご案内したんですよ。
部屋の前まで来ると、「入りたまえ」と言われまして「今日のあなたの営業報告。あんな格好をつけた報告じゃ駄目だね。あなたは自分を出していない。自分の考えを自分の言葉で話さなきゃ駄目だ」と。言われてみれば、僕はたくさんの役員を意識して原稿通りにしゃべっていたんです。
それから二人でシャンパンを飲みながら、盛田さんは「ところで僕の人生も、よく恥をかいたんだよ。君ね、恥をかくことを恐れたら大物にならないよ」と話を始められました。そしてアメリカでの苦労を振り返られたんです。ソニーなど誰も知らない時代にアメリカに行って記者会見を開いた。「世界のソニーになる」と原稿を読んでいたら
五十人ほどいた記者たちが次々に去っていき十人くらいになった。それから自分たちは「吉英語を勉強するぞ。世界のソニーになるぞ」と奮起して、いまのソニーを築き上げられたというんです。「だから大きなことを言いなさい」と教えられましたね。
僕なんか大学を出ていないし、なんとなくコンプレックスがあるでしょう。しかし、「努力しなさい。経営も勉強も、なんでも努力したらできるんだ。あなたはいいものを持っているんだから」と励ましてくださった。その恩に報いるため、盛田さんのお葬式には一番に駆けつけたんです。
僕は非常に幸運な星のもとに生まれている。能力はないけれどもいろいろな人の助けがあっていまがある。その意味では僕は感謝を忘れたことはありません。
僕みたいな人間が、あんな偉大な方に言葉をいただけるわけですからね。いま考えると、千鳥足で危ないと思ってお連れしたのがよかった。ただ真っ直ぐ部屋に帰られていたら、こういうご縁はありませんでした。
「縁」ってとても大切です。いわゆる「出会い」でもあります。その縁や出会いは、もしかしたら決まっていたのかもしれないし、「運命」と呼ばれるものなのかはわかりません。しかし、そういう縁や運を引き寄せる「人柄」であったり「努力」だったりするものがあるような気がしてなりません。そして、「謙虚さ」や「感謝する気持ち」、「気配り力」…これらがとても大切なように思います。
私たちは日々、たくさんの縁と様々な人に支えられて生きています。そのことに感謝をしながら、失敗を恐れず粘り強く努力し続けることがやはり大切だと思います。
私もたくさんの方に支えられ助けられ、御陵中で働くことができています。そこには、素敵な子どもたち、保護者の皆様、地域の皆様、先生方がいてくれます。このご縁をこれからも大切にしたいと思います。