学校日記

【6月2日】進路実現へ向けて

公開日
2022/06/02
更新日
2022/06/02

つぶやき

 本日は、1・2年生は授業参観及び自然教室・修学旅行説明会、3年生は進路説明会でした。たくさんの保護者の皆様にご来校いただき、誠にありがとうございました。
 私は進路説明会で少しお話をさせていただきました。その中で話したのは過去に私が関わった二人の生徒のことです。

 1人目は、小学校からずっと塾に通っていた男の子。ただ、授業中に集中できず、居眠りしたり、塾の宿題をしたりして注意されることが多かったのです。彼の状況を心配する教師たちに彼曰く、「僕は塾で習っているから、学校での勉強は全部わかっているから大丈夫です」。そう言いながら、なかなか状況が改善されませんでした。成績は思うように伸びず、結局は第一志望の高校に不合格になってしまいました。

 もう一人は、バスケットボール部の女の子。3年生4月の数学の授業が終わって私のところにこう言いにきました。
「先生、私は○○高校にどうしても行きたいんです。でも、ぜんぜん成績が足りなくて。特に数学が苦手で…。母親は、『3年生にもなったし、あなたがやる気があるなら塾に行っていいよ』って言ってくれるのですが、母は、毎日朝から晩まで私たち姉妹のために働いてくれているんです。だから、親にお金の面でも負担かけたくないから、塾には行かず自分で勉強して合格したいんです。だから私、先生に何度も何度も質問にくることになると思いますが…いいですか?」
 私は「もちろん、いいよ!」と答えました。
 正直、彼女の志望校合格にはかなり厳しいハードルだと思いましたが、私は、中学生でお母さんのことや家のことをこんなにも気にかけ頑張ろうとする彼女の言葉に感動しました。
 彼女は、本当に毎日のように私に質問にきました。手には、問題集、びっしりと書かれた頑張りのあとが見られる自学ノート、筆記具をもって。彼女は数百円の問題集を最低3回、自分が納得するまで取り組みました。もちろん授業にも誰よりも集中し、着実に力をつけていきました。2学期になると、休み時間にも勉強し、放課後は職員室廊下で、質問したい先生を待ち、熱心に取り組みました。そして、2学期のテストではついに偏差値を10以上を上げました。第1志望の公立高校入試まで努力し続けた彼女は、見事「合格」…合格発表後、彼女は中学校へ泣きながらお礼を言いに来てくれました。

 努力したら必ず第1志望に合格できるわけではありません。また、第1志望に合格できたからといって、それがゴールではありません。しかし、御陵中の3年生の子どもたちには、自分のできることを最大限に取り組んでほしいと思います。挨拶の中でも言いましたが「行ける学校」ではなく、「行きたい学校」を見つけてほしいと思います。将来のことを簡単に決めることは難しいし、どうなるかなんて誰にもわかりません。しかし、自分で調べたり、実際に見に行ったり説明を聞いたりしながら多くの情報を得て、また、保護者の方、友達、先生…など様々な人にも相談しながら、最終的には自分でしっかりと決定してほしいです。そして、決まったら、努力を積み重ねるだけだと思います。
 保護者の皆様には、今日の説明会を受けて、ご家庭でこれから先のことを少し話していただければ幸いです。子どもたちが、よりよい進路選択、そして実現できるよう学校と家庭で連携し、支援していきたいと思います。