【6月3日】人間の力
- 公開日
- 2022/06/03
- 更新日
- 2022/06/03
つぶやき
今日は、中体連・中文連の選手等激励会でした。私は研修中だったため、会に参加できず激励の言葉を言うことはできませんでしたが、古川裕士教頭が子どもたちへのエールを熱く語ってくれたと思います。そして、出場する子どもたちは全校生徒の前に立ち、心新たに頑張る決意をしたのではないかと思います。
さて、ラグビー界でとても有名な平尾誠二さんをご存じですか?2016年に53歳という若さで亡くなられましたが…ラグビー日本代表選手であり、日本代表監督、神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼任ゼネラルマネージャーなどを歴任され「ミスター・ラグビー」と呼ばれた方です。平尾さんの言葉が、『生き方の教科書』にありますので、原文を載せます。
とにかくラグビーに夢中になって、高校に入るときも、自分がラグビーをする上で一番いい環境を求めて、山口良治先生のいる伏見(京都市立伏見工業高校)に入ったんです、当時の伏見はまだ、全国大会に一度も出ていませんでしたが、山口先生の名はかなり知られていました。僕は、すでに強くなっているところに入るよりも、これから伸びるところで自由にやらせてもらうほうが自分の性に合ってると考えて伏見を選んだんです。自分で決めて入ったわけですから、ラグビーに集中せざるを得ませんでしたが、正直言って1年の時は、練習がいやでいやで辞めようかと思っていました。やっぱりきつかったです。
5月くらいになると、自信をなくして体調を崩してしまいました。先生に相談しに行ったら、よく話を聞いて休ませてくれました。おかげで、なんで自分はここへ来たのか、と原点に返って自分を見つめ直す時間を持てて、もう一度立ち向かおうという気になりました。立ち直るまでにかかったのは、ほんの2、3日でした。その間に、一気にパッと変わったんです。それでたまたまいい具合に波に乗ることができて、チームも強くなり、2年で初めて全国大会でベスト8入りし、キャプテンを務めた3年で一気に日本一になったんです。まだ十分な実力がないところから、短期間のうちに上り詰めて、端から端まで経験できたのが非常によかったですね。
山口先生の指導は厳しかったですね。そんな中で一生に残っているのは、よく人間の力の話をしてくださっていたことです。非常にいい話で、今でも僕は大切にしているんです。
僕らが3年の頃にはすごく強いチームになっていて、どことやっても勝っていました。前半で点差が4、50点も開いていたりするので、つい手を抜いたり、気を抜いたりするんですが、それでも余裕で勝ってしまう。そうすると先生は、ハーフタイムの時にえらい怒るわけですよ。「なめてんのか!」と。そしてこんな話をよくされたんです。
人間の力は、全部出し切らないと増えない。だから、余すことなく使わなければいけないのだと。今、10ある力を全部出し切ったら、10.001ぐらいになる。次の試合でその10.001を全部出したら10.002というふうに力が増えていく。出し切らずにためたら逆に減ってしまうんだと。そして最後の締めくくりに、「それがお金と違うところだ」と。
バレーボールの監督をしていた私もどんな相手であれ、敬意を払い全力を尽くして戦うように指導してきました。練習試合等で対戦相手が弱いとわかると手を抜くチームが、本来十分に力はあったはずなのに、夏の大会で負けていくことがありました。一方で、どんな相手であっても常に全力で取り組んでいたチームは、新人大会以上の成績を収めていくことを多々見てきました。
「人間の力は、全部出し切らないと増えない」
これはスポーツだけの話でははいと思います。様々な面で、志や信念をもち、手を抜かず、ひたむきに取り組むことが本当の力をつけていくときに非常に大切なことだと教えてくれているのだと思います。「現状維持でいいからこれぐらいで…」と手を抜いていると、現状維持どころか、衰退していくのではないかと思います。子どもたちも私たちも、そういう気持ちで一日一日を大切に過ごせるようにしたいものです。
いよいよ、今月11日の陸上競技大会を皮切りに本格的な夏の大会、コンクールとなります。御陵中学校生徒の活躍を心から願っています。保護者の皆様のご支援とご協力をよろしくお願
いいたします。
最後に、激励会の中で古川教頭が紹介したナポレオン・ヒルの『信念の詩』を載せます。
負けると思ったらあなたは負ける。負けてなるものかと思えば負けない。
勝ちたいと思っても、勝てないのではないかと思ったら、あなたは勝てない。
負けるんじゃないか、と思ったら、あなたはもう負けている。
世の中を見渡してほしい。
最後まであきらめず、成功を願い続けた人だけが、成功しているではないか。
ならば、あなたの願いが、願い続ける想いが、あなたのすべてを決めるのだ。
自信をもちたい、向上したい、そうなるには、その想いが必要だ。その想いが、あなたをそうさせるのだ。
勝利を手にする者は、必ずしも強い人ではなく、もっともすばしっこい人でもない。
“私はできる” そう考えている人が、最後に勝つのだ。