学校日記

【6月6日】アウトプット

公開日
2022/06/06
更新日
2022/06/06

つぶやき

 明日から木曜までは、金曜日に実施する期末考査のために部活動は中止となります(11日が大会の陸上部は短時間の練習をしますが…)。1年生にとっては初めての定期考査、そしてすべての子どもたちが計画表をもとに学習に取り組んでいる最中だと思います。ぜひ、ただ読むだけ、眺めるだけでなく、「何度も書く」「自分の言葉で書く」「言葉として発する」等して、しっかりと身につけてテストに臨んでほしいと思います。

 さて、『人生の教養が身につく名言集』という本に山本義隆さん[日本の科学史家・自然哲学者・教育者]という方の言葉とともに、アウトプットの大切さが書かれています。

「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」

 山本さんが、とあるインタビューで「人は何のために勉強をするのか?」という問いへの答えとして述べられたのが、「自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため」という言葉。まさにその通りだと思います。この章で、「知識をインプットしなければ、考えることはできない」と述べました。ただ、なかには、インプットは一所懸命するのに、そこでストップしてしまう人をときどき見かけます。考えるという作業をほとんど行わず、アウトプットをからきししない。「勉強する」、あるいは「学ぶ」という人間の営為は、インプットとアウトプットがセットになっているのです。この2つをセットでやらないと、せっかく知識をインプットしても、それはその人にとって、血肉にはなりません。下手をすれば、時間とともに忘却の彼方にいってしまうことになるでしょう。
 ところで、アウトプットとは何か。
 その基本は、母語(マザータング)による「言語化」です。しかも、インプットしたままの他人の言葉ではなくて、それを自分の頭で咀嚼(そしゃく:言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること)して、自分の言語に引き直して言語化する。その作業を経ることによってはじめて、自分の頭の中の「情報のタンスの引き出し」(自分の辞書)を整理することができます。整理すれば、引き出しやすくもなります。必要なときに、さっとその知識を取り出せるわけです。逆に、言語化の作業を経ないと、情報は頭の中の「タンス」の中でグチャグチャになったままです。場合によっては、タンスの外にはみ出しているかもしれません。これは別の言葉でいえば、自分の「血肉」になっていない状態。モノになっていない。だから、適切に取り出せないばかりかすぐに忘れてしまうのです。

 以前紹介した樺沢紫苑さんの著書『アウトプット大全』にも同じようなことが書かれていました。
 「読む」「聞く」がインプット(入力)で、「話す」「書く」「行動する」がアウトプット(出力)である。インプットで「脳内世界」が変わる。そしてアウトプットすることで「現実世界」が変わる。
 ですから、子どもたちの勉強も先に述べたように、「書く」「話す(説明する)」ことが非常に大切であるということです。期末考査まであと4日ですが、ぜひインプットした知識をどんどんアウトプットして自分のものにしていってほしいと思います。
 私自身も自分がインプットした知識を材料にして、それを自分の頭で考え、どんどんアウトプット(書く・話す・行動する)していきたいと思います。